最も新しい“歌謡曲”の意味~宇多田ヒカル「花束を君に」と星野源「恋」この記事の写真をすべて見る 2016年4月、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』主題歌としてオンエアされた「花束を君に」、そして『NEWS ZERO』エンディング曲の「真夏の通り雨」という2曲をもって、宇多田ヒカルはシーンに帰ってきた。最も身近な人との永遠の別れをしたためた、余りにも美しく哀しい2曲。向き合うことさえ困難なはずのプライヴェートな事柄を、彼女は普遍的なポップ・ソングへと昇華させた。そこには、生まれついての才能云々というよりも、真っ向から“生”に取り組む一人の表現者の姿があった。 一方、最後まで右肩上がりの視聴率を叩き出し続けた人気TVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のエンディング・テーマである星野源の「恋」は、PVの振り付けをドラマ出演者が楽しげに踊るという、所謂“恋ダンス”で一大ブームを巻き起こした。《夫婦