→紀伊國屋書店で購入 「アジテーター、ペイン」 トマス・ペインはアジテーターとしては一流の人物だが、政治思想はあまり高く評価されていない。日本だけでなく、アメリカ本国でもそうらしい。本書は、ペインの疾風怒濤のような生涯についてはそれほど詳しくないものの、彼の政治思想をどう評価できるかについて、鋭い視点を示している。 ペインは国家というものは必要悪にすぎず、市民は自由で平等な社会を望むものだという共和主義的な見解を強く抱いていた。個人はみずからの善を望むだけでなく、公共善も望むというのが、彼の理論の背景にある確信である。人々が社会の善を望むようになるためには、理性を働かせるだけでよいと考えるのだ。だからふつうの共和主義者であれば警戒するはずの商業についても、富や財産についても、共和主義と対立するものだとは考えない。 ペインは「商業は文明化および社会化を進める主要な力である」(p.80)と考え
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く