今年も、いじめの重大事案の報道が相次いだ。各ケースで目立つのは、学校や教育委員会の対応の鈍さだ。一方、旭川市で中学2年の女子生徒が凍死した事案などでは、市長が積極的な介入を模索する動きもある。私が8月に実施した調査の分析結果を踏まえつつ、学校におけるいじめ対応の「限界」を明らかにしたい。 ■市長部局が駆けつける寝屋川すごい!今年の10月4日、いじめ対応について「寝屋川すごい!」とつぶやいたツイートが拡散し、約1万件のリツイート、2.7万件の「いいね」の反応があった。小学一年生が、寝屋川市に設置されている「監察課」にいじめ相談の手紙を送ったところ、数日後には監察課から2名の職員が学校にやってきて、迅速に対応してくれたという。 寝屋川市は、2019年10月に市の危機管理部に、「いじめの初期段階から被害者・加害者・保護者・教員などに関与し、いじめの早期解決」を図るための部署として「監察課」を設け