「昔は良かったよねー」とぼやき、ノスタルジーという名のお花畑に住む老人や、世にはびこる非科学な通説を統計を使って切り捨ててきた謎のイタリア人、パオロ・マッツァリーノ先生。今回ぶった切る対象が生きた時代は「昔は良かった」と懐かしむこともできない2500年前の中国。「昔は良かった頃の偉大な人」で、もはや誰も突っ込むことができない「孔子」と彼の言動をまとめた『論語』に敢然と切り込んでいる。 孔子について詳しくなくても、親孝行しろだとか、人を見た目で判断するなとか、自分がされていやなことは他の人にするなとかは聞いたことがあるだろう。元ネタは孔子の言葉とされる。そのような今でも流通する有り難いとされる言葉を連発していたらしい孔子だが、本書を読むと印象は一変する。 長年にわたって染みこんだ政治思想や道徳観、歴史ファンタジーによって『論語』の解釈は歪められてきましたー中略ー本書はありのままの孔子の姿をお
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