編集部から:本連載では、IT業界にさまざまな形で携わる魅力的な人物を1人ずつ取り上げ、本人の口から直接語られたいままでのターニングポイントを何回かに分けて紹介していく。前回までは、宇陀氏がIBMで社長補佐になるまでを取り上げた。今回、初めて読む方は、ぜひ最初から読み直してほしい。 1996年、日本IBMの社長補佐を1年間務めた宇陀氏はその後、同社で理事、UNIX製品事業部長、国内とアジア・パシフィック地域のアライアンスビジネス責任者と、要職を歴任することになる。 周囲からは、このままいけば当時としては最年少の役員に就任することがほぼ確実と見られていた。しかし実はこの間、同氏の内では新しいビジネスのアイデアが膨らみつつあった。そのきっかけとなったのは、社長補佐として次世代のビジネスをプランニングするミッションに当たった時だった。 前回紹介したように、宇陀氏はこの時期、国内初となる大規模アウト