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ブックマーク / blog.tatsuru.com (47)

  • 論争するの、キライです - 内田樹の研究室

    『考える人』の春号が届いたので、開いてみると、「聖書特集」にレヴィナスについてのインタビューが出ていて、「日の身体」第十回で大相撲の松田哲博さんとの「シコとテッポウ」対談が出ていて、なかほどには福岡伸一ハカセとの「動的平衡と贈与経済」についての対談が出ていた。 いくらなんでも季刊誌の同じ号に別のトピックで三回登場させるというのは、「番組編成」上無理があるのでは・・・ いや、私はいいんですけどね、もちろん。原稿料いただけるわけですから。 でも、読者の方々がどうお思いになるか。 「げ、またウチダだよ。おい、この、どうなってんだよ」 そういうリアクションがただいま日全国津々浦々でなされているのではないか、と。 いや、私はいいんですけどね。もちろん。 そりゃ、『Sight』のような渋谷くんの個人誌の場合であれば、「源ちゃん、まだ来ないみたいだから、待ってる間に、ウチダさん、『婚活』話で一

  • 死ぬ言葉 - 内田樹の研究室

    入学式。 私にとっては、「最後の入学式」である。 讃美歌412番を歌うのも、学長院長の「お祝いのことば」を聴くのも、これが最後である。 4月5日。あと360日。 朝起きるたびにカウントダウンの針が進んでゆく。 今年経験することはすべて「大学最後の経験」である。 そうやって見まわすと、目に映るすべてのものが儚く、移ろいやすく、いとおしいものに思えてくる。 邦の古人はこの感懐を好んだようである。 「美的生活」というのは別に書画骨董を愛玩したり、歌仙を巻いたり、文人墨客と賺した話をすることではない。 そうではなくて、「目の前にあるこれは、いずれ消え去って、あとをとどめない」という人事万象の「無常」を、その「先取された死」を「込み」で、ご飯をべたり、働いたり、遊んだり、つくったり、こわしたり、愛したり、憎んだり、欲望したり、諦めたりすることではないかと私は思う。 なぜ、「生け花」と「プラスチッ

  • 定型と批評性 (内田樹の研究室)

    マスメディアの凋落について毎日原稿を書いているせいで、ものの見方が偏ってきているのかも知れないが、今朝の毎日新聞の一面のコラム「余録」にも、思わず反応してしまった。 コラムは「決断」をめぐるもので、鳩山首相の決断力のなさと、最近の「発奮」ぶりをいささか嘲弄的に紹介している。 「普天間基地問題でも『体当たりで行動していく』『必ず成果を上げる』と歯切れがいい。先週の内閣メールマガジンでは『未来に向けて時計の針をもっと勢いよく回せるような政府をつくりあげていきたい』とアピールした。だが、沖縄県民、米国、連立与党のいずれをも満足させる道がこれから急に開けるようにも思えない。『針の穴にロープを通すくらい難しい』ともらしたことがある首相だ。何を選び何を捨てようとしているのか。『腹案はある』と自信ありげな腹の内を見てみたい。」(毎日新聞、4月5日) 「よくあるコラム」である。 こういう書き方を日のジャ

  • グーグルのない世界 - 内田樹の研究室

    中国政府の検閲の停止を求める交渉が決裂して、グーグル中国から撤退することになった。 香港経由で検閲なしのサービスを開始するが、すでに香港版サイトには中国土からの接続が困難になっている。 接続者の殺到によるものか、中国政府の妨害かはまだわかっていない。 「グーグルが存在しない世界」に中国が取り残された場合、それがこれからあとの中国における「知的イノベーション」にどれほどのダメージを与えることになるのか、いまの段階で予測することはむずかしい。 だが、この「事件」のよって中国経済の「クラッシュ」は私が予想しているより前倒しになる可能性が高くなったと私は思っている。 中国の経済成長はいずれ停滞する。 それは不可避である。 これまで右肩上がりの経済成長を永遠に続けた国は存在しない以上、中国の成長もいずれ止まる。 その成長をブロックする主因は、「知的イノベーション」の重要性を見誤ったことにある。

  • グーグルの存在する世界にて - 内田樹の研究室

    木曜日、学士会館で目覚めて、ぼんやり窓の外を見ながら朝ごはん。 「学士会館朝ごはん、なう。」と Tweet すると、見知らぬ読者から「いま白山通りを歩いています」という reply が入る。 不思議なガジェットだなあ。 mixiとも携帯メールとも、機能がどこか根的に違うような気がする。 「ダイレクトメッセージ」ではなく、「宛名のないつぶやき」に反応する人がいるということが「広大な共生感」(@大江健三郎)をもたらすのであろうか。 よくわかんないけど、とりあえずは「精神衛生上よい」機能を果たしていることは間違いない。 だから、Twitter では「反論」とか「事実誤認の指摘」とかは遠慮してほしいですね。 「グーグル問題」について、いろいろ意見を訊かれる。 私の基的態度は「テクノロジーの進化は止められない」というものである。 とくにグーグルのビジネスモデルは「利用者はサービスに課金されない」

    giffie11
    giffie11 2010/03/15
  • Twitter と自殺について - 内田樹の研究室

    一般入試 CD 日程。 AB 日程というのが1月29日30日にあって、その合否発表のあとに、2週間ほどおいて次の入試がある。 2月あたまが私学の一般入試の集中時期である。 そのときの合否の発表がもうほぼ終わっている。 2月中旬に行われるこの CD 日程は、さきに第一志望校の受験に失敗した受験生たちの「敗者復活戦」である。 すでに第一次志望校に合格したものは、出願はしたが、実際に受験には来ない。 だから、試験場の座席はけっこう「歯抜け」状態になるのがふつうである。 今年はその「歯抜け度」が小さい。 入学センターの諸君とこの「歯抜け度」の意味について考える。 あれこれ考えたが、やっぱりよくわからない。 この事態を説明する可能性として、いちばん妥当なのは、上位校が合格者を絞り込んできたせいで、現段階でまだ合格通知を手にしていない受験生がかなり多数残っていて、かつ学が「抑え」としてそれなりに高い

  • 「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読む (内田樹の研究室)

    お正月、特にすることもないので新春早々ゲラを校正。 朝日新聞社から出る教育「狼少年のパラドクス」の再校である。 ブログ日記から教育関連のものを選び出しただけなので、内容的には繰り返しが多いし、文体もわりと手荒なので、このままにするわけにはゆかず、あれこれいじりまわす。 夕方から自由が丘。 等々力在住の兄上と平川くん、千鳥町在住の石川くんという「極楽カルテット」でお正月を祝うべく不二屋書店前に5時集結。 そのまま居酒屋にとぐろを巻いて、ビジネスの話。 平川くんと私は石川くんが3月から始める新規ビジネス、ライブハウス+落語定席「アゲイン」の出資者であるので、ビジネスプランについて詳細をあれこれ論じる。 メニューはどうするのか、禁煙か喫煙可か、クライアントにはどのような年齢層をターゲットにするのか、楽器はどうするのかなどなど。 平川くんと私は開店イベントにすでにブッキングされているようである

    giffie11
    giffie11 2010/01/13
    これはフェアネスの問題に対する言及。城氏と内田氏のフェアネネスの実現に対する考え方の違い。体制変革によるか、個人によるか、内田氏は双方の大切さ、個人でもできることをしましょうと説いている。