デリー市内に住むプラディープ・アナンドさん(33歳)はインク業界向けコンサルタントとして働く。月収8万ルピー(約12万円)。一般的な定義に従えば、インドの中間層は世帯年収20万ルピー(約30万円)から100万ルピー(約150万円)。アナンド家は中間層でも上位クラスに相当する。 同居家族は主婦の妻(30歳)と11歳になる息子、そして65歳の父親。集合住宅のワンフロアを占める同家には、4つの寝室がある。インドではワンルームアパートに住んでいる世帯が多いことを考えれば、余裕のある間取りと言える。 愛車はマルチ・スズキのワゴンR。これに乗って郊外型ショッピングモールに出かけるのが余暇の典型的な過ごし方だ。月に3~4回は家族で食事に出かける。インド料理はもちろん、息子が好きだという中華料理も食べに行く。 多くのインド人が憧れそうな生活だが、家の中を覗くと日本の感覚で見れば“まだ持っていないもの”が多