放射線治療と化学療法に挑戦がん専門病院の診断でも、右肺を原発に胸骨・肋骨・リンパ節、脳にも転移が確認されました。しかし、新しい主治医は最初の担当医とまるで違いました。小倉さんは明るく誠実な主治医を信じて、最先端の放射線治療と化学療法に挑戦することになりました。 「小倉さん。やれることは、すべてやりましょう」 そうおっしゃってくださる牛尾先生を、僕は信じることに決めました。 化学療法が本当に効くかはわからないけれど、まだやれることが残っていると思うと、嬉しかった。 まさに地獄に仏でした。(本書より) そして、小倉さんはがんによる痛みで食べられず、寝られずの日々をおくり、もともと痩せ型なのに11キロも体重が減少。でも、「やれることは、すべてやる」挑戦が奇跡を呼びました。腫瘍が目でわかるほどに小さくなっていたのです。 「ありがとうございました」 必死に涙を抑え、振り絞るようにお礼を申し上げる僕に