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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (31)

  • 残念ながら簡単に言うとアラブの春は失敗: 極東ブログ

    5月26日と27日の2日間、フランス・ドービルで開催された主要国首脳会議(G8)の話題として、日ではしかたがないとも言えるが、福島第一原発の対応が注目された。が、その他の話題もあった。欧州経済危機や、最近はすっかり忘れ去れたかのような地球温暖化、またインターネットのあり方なども議論された。そうしたなかで最後の締めともなった大きな話題が「アラブの春」、つまりアラブ諸国の民主化だった。いや、「中東に民主化が望まれる」とかいうたるい話ではない、ようするに、エジプトとチュニジアへの資金援助の話だった。なぜ資金援助が必要になったのか。この件について適切な解説報道を日では見かけなかったように思えた。なぜ資金援助? 残念ながら、簡単に言うと、アラブの春は失敗したからである。 簡単に事実確認から。WSJ「G8、「アラブの春」支援に200億ドル―総額400億ドルの援助」(参照)より。 ノルマンジー地方の

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    gikazigo 2011/06/03
    残念ながら簡単に言うとアラブの春は失敗:極東ブログ
  • 福島第一原発、海水注入を巡るドタバタ: 極東ブログ

    一昨日の衆院東日大震災復興特別委員会で、3月12日の原子炉への海水注入作業が55分ほど中断されたという話を自民党が持ち出し、21日発行の日刊現代(参照)のネタのように、それが菅首相による「中止せよ」との判断・命令であったのかと糾弾していた。 糾弾としては、海水注入が途絶えたことで原子炉を危機に陥れたと、日刊現代ばりに自民党が理解しているのかもしれないようにも見えた。が、自民党としてはむしろ政府の主導性に疑問を投げかけるのが主旨ではあったのだろう。実際、この糸口をきっかけに政府の対応はズタボロの様相を呈した。関連して、内閣府原子力安全委員会・班目春樹委員長の「再臨界」発言の矛盾なども出て来た。 とりあえず政府としては、海水注入は東京電力の自主判断だと説明したようだが、首相官邸の意向を東電が忖度した印象も残った。真相は未だにわからない。 この話題だが、暗黙に危機が仮定されているわりに、実際に

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    gikazigo 2011/05/25
  • エジプト軍部クーデターの背景: 極東ブログ

    エジプト軍部がなぜ巧妙に偽装したクーデターを画策したのか。その背景を知るのに、ニューズウィーク記者クリストファー・ディクニー(Christopher Dickey)氏の、13日付けニューズウィーク記事「The Tragedy of Mubarak」(参照)が興味深いものだった。いくつか気になったところをメモしてみたくなった。ちなみに、今日付けの日版にも抄訳が載っているが、かなり記事に手を入れている。まあ、それはそんなものかな。 NHKのニュースなどでも、ムバラク元大統領に関連する欧州銀行口座が凍結されたみたいな話があり、それを聞いていると、ムバラク氏もかなりの不正蓄財がありそうにも思えるが、そうでもないらしい。 Mubarak’s fall is not a story like the one that unfolded in Tunisia, of a dictator and hi

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    gikazigo 2011/02/16
  • 米国はエジプトをどう見ていたか、なぜ失政したのか: 極東ブログ

    エジプトの暴動を反米のスジで読みたい人がいても別段かまわないが、あまりに予想通りの筋書きを目にすると萎えてくるものだ。背景を少し補足しておいたほうがよいのかもしれない。 今回のエジプトの暴動は時系列的にはチュニジアの暴動の飛び火と見るしかないが、エジプトでいずれ問題が起きることは予見されていた。問題はすでに昨年の時点にあったからだ。 この手の問題に敏感なワシントンポストは昨年11月5日の社説「Egypt's Mr. Mubarak moves to lawless repression」(参照)でエジプトの問題をこう描写していた。 Now, with a parliamentary election approaching, the regime's political repression has grown more rather than less severe. Hundreds

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    gikazigo 2011/01/31
  • エジプト暴動は軍部のチキンゲーム: 極東ブログ

    チュニジアの暴動から飛び火したかに見えるエジプトの暴動だが、これはおそらく、民主化とはあまり関係のない軍部のチキンゲームだろうし、緩和なクーデターと言ってもよいだろう。 エジプトの暴動で、近年の事態ですぐに連想されるのは、2008年のそれである。糧高騰によって政府公営販売所の品販売価格と市場価格の乖離が起こり、民衆が公営販売所に殺到して、暴動となった。死者は10人以上も出た。 同年はムバラク大統領が80歳になる記念の年でもあり、とりあえずの反体制派が中心となり、大統領の誕生日にストライキを計画した。このおりも、インターネットが活用されものだった。もっともエジプトでは強権政治が続き、かつチュニジアのように中産階級が厚くないことから、反政府勢力は運動の核とはなりえない。形の上では国際原子力機関(IAEA)事務局長エルバラダイ氏が帰国し民主化を語ったが、当面の動向として彼の支持層はないに等し

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    gikazigo 2011/01/29
  • 自衛隊ではなく国家が暴力装置だから国民は安心して暮らせる: 極東ブログ

    わかりやすく書いたつもりだったのだが、昨日のエントリー「自衛隊は暴力装置ではない。タコ焼きがタコ焼き器ではないのと同じ」(参照)はあまり理解されていないようだった。これがわからないと、近代国家の意味やシビリアンコントロールの意味が理解できないことになる。それじゃ困るなと思うので、もう少し補足しておこう。 社会学的なものの考え方は慣れていない人には難しいのかもしれない。典型的な無理解として、例えば、いただいたはてなブックマークコメントにこんなのがあった(参照)。 hokusyu あたまがわるい, 暴力 詭弁w。存在自体が暴力であるという言い方は可能だが、ふつうはある力の行使のことを暴力というのであり、その暴力(乱暴な力)をふるうApparat(組織体/装置)が自衛隊や警察ってことで、日常言語でも普通に理解できる 2010/11/19 54 clicks 18 「存在が暴力」というのは文学なん

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    gikazigo 2010/11/20
  • 尖閣沖衝突事件の中国人船長を釈放: 極東ブログ

    領海内である尖閣諸島周辺で7日海上保安庁・巡視船に中国漁船が衝突し、公務執行妨害の疑いで逮捕・送検・拘留されていた詹其雄(41)船長について、那覇地検は今日、処分保留の釈放を決定した。理由は、「船長がとった行動に計画性は認められず、我が国の国民への影響や今後の日中関係を考慮した」(参照)とのことで地検が外交関係に配慮したことを明確に示した。釈放時期は未定だが早急に実施されることだろう。 司法が外交に言及するなど、通常なら余計なことを口にして愚かなことだと見られがちだが、今回の地検対応はそれなりの意味がある。 日人の大方の印象は理不尽な中国の圧力に屈した菅政権の弱腰外交の影響を見ることだろう。この数日、中国側は詹船長釈放に向けてかなりの圧力をかけていたことがどうしても背景に見られてしまう。 国連総会出席で訪米した温首相はニューヨークの在米華人会合で「必要な対抗措置をとらざるをえない」(

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    gikazigo 2010/09/24
  • 2025年、世界最大の都市は東京。しかも、ダントツ。: 極東ブログ

    今日のCNNのニュースで、現在、世界最大の都市は東京であり、しかも、ダントツだという話があった。それはそうだろう。以前「東京が世界の中心なのかも: 極東ブログ」(参照)というエントリも書いたことがあるので、それほど驚きではなかったのだが、ニュースの詳細を見ていて、驚いた。2025年になっても世界最大の都市は東京であり、しかも、ダントツなようだ。日の人口は縮小し始めているのに、東京だけが世界に冠たるお化け都市になっていくらしい。 CNNのニュースは「世界の人口、巨大都市に集中の傾向 最大は東京圏」(参照)である。 国連がこのほど発表した報告書によると、人口1000万人を超える巨大都市の住民は現在、世界の都市人口の9.4%以上を占め、2025年には10.3%に達することが予想される。巨大都市の人口では、東京圏が世界首位に立っている。 国連経済社会局が3月末に発表した「世界都市化展望2009年

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    gikazigo 2010/04/10
  • [書評]完全なる証明(マーシャ・ガッセン): 極東ブログ

    ニュースを聞いて、奇異に思った人もいるのではないか。なぜ今になって? ようやく証明が認められたからか? 18日、米国のクレイ数学研究所(CMI: Clay Mathematics Institute)が、数学の難問中の難問とされてきた「ポアンカレ予想」を解決したロシア数学者グレゴリー・ペレルマン(Grigory Yakovlevich Perelman)氏(43)に、その証明を認定し、難問証明に約束されていた100万ドルの賞金を贈ることを決めた、と報道された。 ポアンカレ予想(Poincaré conjecture)は、フランスの数学者アンリ・ポアンカレ(Jules-Henri Poincaré:1854-1912)が1904年に提示した位相幾何学についての未証明の予想であった。こうまとめられている(参照)。 境界を持たないコンパクトな三次元多様体であるVを想定してみよう。このVは、三次

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    gikazigo 2010/03/25
  • 民主党の沖縄問題の取り組みは自民党同様の失敗に終わるだろう: 極東ブログ

    民主党のマニフェストに示された沖縄問題の取り組みを読みながら、これは自民党同様の失敗に終わるだろうと思った。失敗してくれと願っているわけではなく、むしろ自民党の沖縄政策よりよいとも思えるのだが、以前の民主党の主張からの後退や、幹部発言の混乱からして、現時点での実効性はほぼないと思えたということだ。まとめておきたい。 だらだらと曖昧な美辞麗句が続くが民主党のマニフェストでは沖縄問題にこのように触れられている。 沖縄政策 沖縄は先の大戦で、国内で唯一、地上戦が行われ、数多くの犠牲者を出す悲劇に見舞われました。敗戦後も米軍による占領を経験したうえ、復帰後の経済振興も期待どおりに進んでいません。この状況を重く受け止め、1999年7月に「民主党沖縄政策」、2002年8月に「民主党沖縄ビジョン」を策定し、2005年および2008年には「民主党沖縄ビジョン」を改訂しました。 「民主党沖縄ビジョン」では、

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    gikazigo 2009/07/29
  • 民主党は給油活動についてマニフェストに明記していただきたい: 極東ブログ

    民主党がめちゃくちゃなことになってきた。そう民主党。自民党ではない。自民党については、小泉元首相が暗に言ってたように、ひとまず下野して立て直すしかないだろう。が、その前に民主党のほうが予想外の速さで壊れてきた。もちろん、「そうじゃないんだ、より現実的になってきたのだ、民主党鳩山代表の祖父鳩山一郎が自民党の初代総裁であったように、看板入れ替えて、新自民党になるのだ」という歴史を踏まえた意見もあるだろう。 どんな話か。難しい話ではない。日の政局に疎い外国からでもはっきり見えることだ。英国フィナンシャルタイムズ記事「Prospect of power softens DPJ’s US stance」(参照)が明確に指摘していた。なお、同記事は邦訳「民主党、対米姿勢を軟化 政権獲得の可能性を前に」(参照)もあるのでそちらを参照されてもいい。私は私で試訳を添えておく。 In recent year

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    gikazigo 2009/07/26