新型コロナウイルスワクチンを開発中の塩野義製薬は1日、9月末までに厚生労働省に承認申請する方針を明らかにした。日本の製薬各社はワクチン開発で海外勢に大きく後れを取ってきたが、ようやく大詰めを迎えつつある。副反応への懸念などから追加接種の伸び悩みも指摘される中、各社は安全性や小児向けを重視した開発を進めている。 「臨床試験(治験)のデータは続々と準備が整っている。今は製造を含めたさまざまな課題に取り組んでいる」。この日、塩野義が開催した決算説明会で、上原健城(たけき)医薬開発本部長は進捗(しんちょく)状況をこう説明した。 ワクチンをめぐっては、60歳以上の4回目接種を対象とする治験を開始したことを7月26日に発表。5~11歳の小児や12~19歳が対象の治験も進める。ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量を英アストラゼネカ製と比較する試験の結果については、9月末までに公開する予定で、上原氏は「