ホモ接合体の場合は、90%のヘモグロビンがヘモグロビンSとなり重症の貧血症を起こす。一方、ヘテロ接合の場合、40%程度なので、日常生活においては発症はしない。酸素分圧が低下すると異常なβ鎖が凝縮する。 分布と適応的意味[編集] 鎌状赤血球遺伝子を持つ者は、日本にはほとんど見られないが、マラリアが比較的多く発症するアフリカにはかなり見られる。鎌状赤血球の遺伝子とマラリアの流行には深い関係がある。マラリアは幼児期にかかると、死に至る可能性が高い感染症である。つまり、鎌状赤血球症自体は保有者の生存に不利であるが、マラリア蔓延地域ではその遺伝子をヘテロに持つものは非保有者と比べて相対的に自然選択において有利であり(生存確率が高い)、この遺伝子が維持されていると考えられている。しかし保有者ばかりになれば、保有者同士の子にはホモで持つ者が増えるため、非保有者が頻度依存淘汰的に有利になり、非保有者の割合
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