東日本大震災の発生直後、宮城県石巻市の私立日和(ひより)幼稚園の送迎バスが津波にのまれ、園児5人が死亡した事故で、4人の遺族が運営法人と当時の園長に損害賠償を求めた訴訟の控訴審は3日、仙台高裁(中西茂裁判長)で和解が成立した。 防災体制が不十分だったとして幼稚園側が法的責任を認めて遺族に謝罪し、遺族に計6千万円を支払う。和解条項には「園児らの犠牲が教訓として記憶にとどめられ、後世の防災対策に生かされるようにする」という高裁の和解勧告の理由を付記した。遺族側弁護士によると、和解条項に裁判所の意見が付くのは異例という。 次女の春音(はるね)ちゃん(当時6)を亡くした西城靖之さん(46)は会見で「真実を知ることができなかった部分も残った。しかし、子どもたちをどう守るかということに、(裁判所から)きちっとした答えをいただけた」。次女の明日香ちゃん(当時6)を失った佐々木めぐみさん(35)は「苦渋の