かつては共産党員だったが、民主化運動に参加したことが習近平政権下の怒りを買い、亡命を余儀なくされてしまった顔伯鈞。逮捕、拷問、そして脱出の過程をまとめた『「暗黒・中国」からの脱出』(文春新書)が話題となっている。 前編(gendai.ismedia.jp/articles/-/49063)に続き、共産党政権下の中国の真実をえぐる、顔氏の迫真の証言をお届けする。 北京五輪後、何かがおかしくなった ――しかし、議会制民主主義を個人の知識として知っていることと、それを中国社会に導入しようと市民運動を起こすこととの間の距離は大きいですよね。あなたがそのラインを踏み越えたきっかけは何だったのですか? 顔: 私個人に限らず、中国の知識層の多くの人々は、2007~08年ごろまで現体制をやむを得ないものだと考えていたのです。国家が前に進んでいくためには、相対的に小さな社会問題の解決には目をつむらざるを得な