台風19号で甚大な被害を受けた宮城県丸森町に伝わる東北最古の「猫神さま」の石碑が、現地に残っていた。土砂にのまれたと思われていたが、研究者が現存を確認した。猫神さまは養蚕の守り神とされ、町内には日本一多くの石碑と石像があり、町おこしに一役買っている。その象徴的な碑が失われずに済み、関係者はほっとしている。 東北最古の石碑が伝わるのは、土砂災害が発生した五福谷川沿いの中島地区・中島天神社境内。江戸時代後期の文化7(1810)年の年号と「猫神」の文字が刻まれている。丸まった猫の姿を彫った安政5(1858)年の石像もある。 氏子によると、天神社の拝殿は約1.8メートル床上浸水し、泥が入った。大量の流木は鳥居で食い止められ、直撃は避けられたが、境内にあった小さなお堂は約300メートル流された。 猫神さまを調査している同県村田町歴史みらい館専門員の石黒伸一朗さん(61)が台風襲来直後に2度現地を訪れ