現代人が所有する平均的な衣服数は50年前に比べて5倍という。そして昨年に全世界で生産された衣服の数は1000億着。しかもそのうちの3割は売れ残り誰も袖をとおすことなく破棄されている。 衣服は自分自身を表現するツールともなりうる、かけがえのない存在だったはずなのに、いつの間に次から次へと消費していくものになってしまったのだろう?以前のようにもっと純粋にファッションを楽しみながら衣服との関係を慈しみ、自分も周りもハッピーにしていくにはどうしたらいいんだろう? その答えを探りたいのならば、5月にパトリック・グラントが上梓した『LESS』にヒントがあるかもしれない。 『LESS』の表紙に並ぶラウンドネックのセーターやネイビーのチノは、パトリックの定番スタイルともいえるアイテムだ。 パトリックはイギリスだけではなく日本でも放映されている人気の裁縫バトルTV番組「ソーイング・ビー」の審査員であり、また