チョン・ジュリ監督に初めて会ったのは今月18日(現地時間)、カンヌのビーチにある「Vegaluna」で開かれた映画振興委員会主催の韓国映画の夜のイベントだった。当日深夜に到着したチョン・ジュリ監督は時差のため朦朧としており、相次ぐイベントに慌ただしい様子だった。きょとんとした目で「海外は初めてです」と言う彼女の姿が今でも目に浮かぶ。 第67回カンヌ国際映画祭の“ある視点”部門に招待された映画「私の少女」(監督:チョン・ジュリ、制作:ファインハウスフィルム)。公式セクションの一部門である“ある視点”は、オリジナリティのあふれる作品を選出するセクションだ。チョン・ジュリ監督は初めての長編デビュー作にもかかわらず、堂々とカンヌに選ばれた。“快挙”とはこのような時に使う言葉なのではないだろうか。 惜しくも授賞は逃したが、韓国の女性監督の青写真を描き、熱い好評を得た。繊細な感性で残酷ながらも美しい物
