猫は「名前はまだない」といったまま、最後まで名をもたなかったが、すくなくともまだ人間に存在を認められていないものは、名前がない。 だからこそ、イノベーティブなものには名もないし、それを簡潔に説明しうる言葉などはなくて、とうぜんなのだが、どうもイノベーションはまだ生まれないのか?とか言ってる人や、どうしたらイノベーションは生まれるのか困ってるんですとか言ったりする人に限って、名前がないものに拒否感を示す。そんなの意味ないんじゃないですか?と。 いやいや、その姿勢でどうしてイノベーションを生みだす側にいようとしてるのか、さっぱりわからないなーという気持ちになるのは毎度のことなのだが、そんな方々には、ぜひ一度、ジョルジュ・バタイユが雑誌『ドキュマン』における企画「批判辞典」の一項目として書いた「不定形の unform」の以下の文章を読んでほしいと思う。 不定形のある辞書が、もはや単語の意味ではな
![名づけられないもの|棚橋弘季 Hiroki Tanahashi](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/666ceb187266ed623cec4f68953e72e9598b8391/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F7130160%2Frectangle_large_type_2_e358b2b94e12719b4155c6cb54f97a8a.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)