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ブックマーク / med-legend.com (11)

  • 医学都市伝説 | 一円玉は拾うべきか?

    「一円玉を拾うのに要するコストは、一円以上なので、道に落ちている一円玉、たとえそれが自分の財布から落としたものであっても拾うのは損である」という意見がしばしば述べられる。これは当なのだろうか。 ネットで「一円 拾う 得」と検索してみると実に170万件の記事が見つかるが、実際にコストを試算してあるものはそう多くない。ほとんどは収入からみた一円の重みについて、簡単な考察がしてあるだけで、要は価値観の問題だとするものが多い。 少数ながら、一円を拾う動作と近似したスクワットなどの消費カロリーから損得を論じたものがあり、それによれば一円を拾っても大したカロリー消費にはならず、利益の方が多いという結論になっているものが多数をしめる。 この消費カロリーから考察する議論の難点は、一円をカロリーに換算するところにある。例えば、国民平均月間費支出で月あたりの必要カロリー総量を割るという計算をしている実証的

  • 医学都市伝説 | 前立腺アルファベット

    米国オリンパス社が5年前から毎年開催しているバイオ科学系顕微鏡写真コンテスト、オリンパス・バイオスケープの2009年度入賞者が先ごろ発表された。 1位となったのは、ドイツの動物学者、ヤン・ミケルス博士によるミジンコの写真である。スターウォーズにこんなのが出てこなかったけと思わせるユニークなものだが、私が一番気に入ったのが佳作に入った左の写真。 フィリピンのマー・アイヴィ・クレメンテ博士による、肥大して繊維腫化した前立腺の管腔構造が構成するアルファベットを撮ったもの。一部は少し苦しいものもあるが、ちゃんとAからZまでそろっている。何より、クリスマスカードとか、年賀状作成には最適の素材となるんではないでしょうかね。 惜しむらくは数字がないのが難点だが、2はNを90度回転させ、0と1はOとIの使いまわしでいけば、来年の年賀状は何とかなりそう。前立腺がどうの、というキャプションは省略した方がよろし

  • 医学都市伝説 | 量子論的サッカーゲーム

    オーストラリア在住のSF作家、グレッグ・イーガンのサイトに公開されているJavaアプレットで書かれた「量子論的サッカーゲーム」。 プレイヤーは黄色とピンクの正方形であらわされていて(キーパーは丸)、まずその動きの速度と方向性を設定し、クリックしてゲームに参加するプレイヤーを選択する。 ボールは、波動関数による存在確率がグラフで示されていて、ボール存在確率が相手方ゴール内の閾値を超え、かつプレイヤーがその近傍にいると得点になる(と思うのだが、よく判らない)。 相手方プレイヤーがボールの存在を観測することによる位置運動情報の変化、と言うようなことまでは考えられていない(と思う)。味方プレイヤー同士では、ボール存在確率に同等の値があれば位置の遷移が起こるらしい。何せ、見ていてもいつの間に得点が入ったのか判らんほどで、起こっていることがよく理解できないのである。 キーボードの操作で波動関数スペクト

  • 医学都市伝説 | 帰宅後15分で夕食を食べるには

    またもや家事雑事の話で恐縮。 私はもともと料理作りが好きなほうで、特に祝祭的状況で家族が晩餐をとるというような時の料理係は、昔から私がやることになっていた。 なにせ、予算も気にしないし、TVの料理番組みたいに助手がつき、後片付けだって自分でやる必要がない。これで楽しくない筈がない。 それが、一人暮らしになると俄然様子が変わる。材をうまく使い切るように計算しないといけないし、足らないものがあっても、臨機応変に対応していく必要がある。 何より、仕事を終えて帰ってきてから準備することになるので、あまり手の込んだものは作れない。夜の八時過ぎから、「鴨のコンフィ」なんぞに挑戦するわけには行かないのである。 そんなわけで、休みの日に日持ちのするお惣菜を作り、それを冷蔵庫に溜め込んでおいて使うことになる。最近いつも作り起きしているのが、写真の「牛肉とゴボウの煮物」である。 これは七味唐辛子を買ったら付

  • 医学都市伝説 | 心の病は脳の傷

    どうした風の吹き回しか、勤務先病院の理事長からこのプレゼントされた。またトンデモ趣味の始まりかと、机の上に2週間ほど置いていたが、読後感でも聞かれると困るので仕方なく読む。まあ、30分ぐらいの我慢ですけれど。 このは医療ジャーナリストが、独自理論で精神科治療に当たっておられる、松澤大樹医師の理論と実践を紹介する形になっている。松澤氏は東北大学の放射線科教授時代から、高次脳機能の画像診断に従事しておられ、退官後、その経験から自らの精神科治療学を確立して臨床活動を行っているらしい。の中身を信じるなら、すでに3000名以上の患者さんを治療しておられ、みな「どんどん治って喜んでくれ」ているという。 著者は私より干支二回りほど上であるが、放射線科教授時代には精神科疾患治療はしていなかっただろうから、10年ちょっとの診療期間だと思われ、それからすればかなりの症例数である。それらの患者さんの多く

  • 医学都市伝説 | 友人の友人の友人が幸せなら、私も幸せ

    以前よくネタ元にしていたBritish Medical Journalは、だいぶ前に有料化されてしまい、取り上げにくくなってしまったが、年末になるとやはり何か大ネタを振ってくるのではないかという期待があり、ついつい注目してしまう。 12月4日号に掲載された論文、“Dynamic spread of happiness in a large social network:longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study”は、そんな期待に多少は応えてくれる一品。珍しくタダ、というのも有難い。 題名を直訳すると、「広い社会的ネットワークにおける幸福の力動的伝播について:フラミンガム心臓研究における20年間の長期的分析」ということになる。フラミンガム心臓研究というのは、畑違いの私でも知っている有名な大規模調査で、マサ

  • http://med-legend.com/mt/archives/2007/09/post-1160.html

  • 医学都市伝説: みすず学苑電車内広告

    よくあちこちのブログで取り上げられているネタではあるものの、最近ますます露出度が高まっているような気がするので、あえて言及。都内を中心に展開している予備校、「みすず学苑」の広告に関する感想である。 ご覧になった方も多いだろう。「怒濤の英語力」という題目に、ヤマトタケル、小野小町、クレオパトラ、孔子、老子、孟子、それに縄文太郎という謎のキャラが配置されるという、かなり珍妙なパターンである。以前は付けっ鼻のナポレオンが使われていたこともあって、たしかTVCMにもなっていた。英語とは全く関係ないのがその共通項。 うちに来れば、そんな連中だって英語力が付くよ、ということなんだろうが、英語というものがなかった時代のキャラまで動員するその主張は、見る側がかなり好意的な視点から再構成を加えないと、理解しがたい。 ご存じのように、この予備校を経営しているのは、万能のアーチストにして福祉教育活動家であるとい

  • 医学都市伝説: 脳はなくとも心は錦

    フランス・マルセイユで、44歳の男性が、左足に軽度の筋力低下を自覚したため、病院を受診した。彼は2児の父で、公務員としてそれまで特に問題なく働いていた。 彼は病歴聴取のさい、幼児期に水頭症治療を受けていて、14歳まで脳室シャントチューブを留置されていたと告げた。そこで、頭部CTとMRI検査を行ったところ、彼の脳室は著明に拡大して頭蓋腔内全体に広がっており、脳実質は頭蓋骨内側部に圧迫され、ほとんど薄いシート状になっていることが確認された。 心理検査ではIQ75と、中等度の低下を示していたが、それまで日常生活や業務の上で、特に問題点を指摘される事はなかったという。<Link1⋅Link2> MRIを見れば、彼にはすぐに脳室シャント処置が行われたようだが、その後の経過は不明である。元の症例は英国の医学雑誌ランセットに掲載されたが、無料オンライン登録しているだけの私には、抜粋すら読めないのが残念<

  • 医学都市伝説: カート・ヴォネガット死去

    「スローターハウス5」、「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」などの作品で知られる、カート・ヴォネガットが、4月11日、マンハッタンで死亡した。享年84。原因は転倒による脳損傷で、数週間前から治療をうけていたという。<Link> 私はこの人の皮肉と突き放した暗めのユーモアは、結構お気に入りだった。やたらに多作家ではないこともあり、そう努力なしに、出ているがほとんど読めるのも有り難い。SFジャンルながら、SF作家と呼ばれないのもいいところ。 聞くところによれば、この人はやがてくる自分の死をいつも意識していたんだそうで、瞬間的な死、それも乗っている飛行機がキリマンジャロと衝突する、というのが理想だったらしい。 「ヘミングウェイは自分の人生に自らピリオドを打った;老年というのは、セミコロンみたいなものなんだよ」。彼はそんな風に、自殺への願望を語っていたことがあるが、無神論者の彼にそれを

  • 医学都市伝説: ネガティブ思考をゲームで解決!

    カナダ・マックギール大学の心理学研究者、マーク・ボールドウィン研究者は、その研究成果を踏まえ、ストレスを解消してネガティブ思考を改善するためのゲームをを開発する企業を設立した。 彼らの研究グループは、社会的に拒絶されていると感じ、常に自己評価が低い人々が、自らのネガティブイメージに注視する傾向があることに注目し、それを改善するための認知療法的手順をゲームとして提供することを検討した。 彼らの元論文では、さまざまな価値イメージを表した言語の中から、肯定的なイメージを見つけ出す作業と、肯定的な表情表出をいくつかの表情写真から見つけ出す作業について、その自己評価を高める効果を主張している。 実際、どれだけ効果があるのかどうかはもう一つよく判らないのだが、ゲームのほうはすでに完成しているようで、サンプル版の体験が紹介されているのだった。ゲームといっても、16枚の小さな表情写真から、一つの笑顔を見つ

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