東京大学は12月9日、理論的に虚数の角速度を考えて虚回転する高温物質が、クォーク閉じ込めの性質を持つことを示したと発表した。 同成果は、東大大学院 理学系研究科の陳実大学院生、同・嶋田侑祐大学院生、同・福嶋健二教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、米国物理学会が刊行する機関学術誌「Physical Review Letters」に掲載された。 自然界には電磁気力、弱い力、強い力、重力の4つがある。そのうち強い力は、原子核を構成するクォークとグルーオンの相互作用のことで、量子色力学(QCD)という場の量子論に従う。もしQCDを解くことができれば、もともとほとんど質量のないクォークとグルーオンから構成される中性子や陽子などの粒子が、実験で観測されるような質量を獲得するメカニズムを、理論的に解明することができると考えられている。 ところが強い力は、ほかの3つの力とは違って結合定数が大きいため