「豆腐屋は鍛冶屋よりも偉い。」 「中華料理はフランス料理よりもよく出来ている」 「味噌は醤油よりも優れた調味料である。」 こんな事を大声で主張する人というのは、それほど世の中にはいないと思う。 ジャンルの異なる者同士の優劣比較を繰り返さなければ安心できない人というのは*1、不誠実な煽動家にあらずんば、かわいそうな人なのかな、と僕は思いたくなる。異なるジャンル、異なるクラスタにはそれぞれの特徴や長所短所はあるだろうけれど、それらを一緒くたにして全体の優劣を論じることは極めて困難というか、しばしば不毛に近い。 こういう不毛な比較は、例として飲食店や料理カテゴリの比較を挙げる場合にはかなり多くの人が納得してくれるのだが、「ラノベと携帯小説」とか「千葉県某所のテーマパークファンとコミケのオタク」とかいった、文化ニッチや文化クラスタを並べると、とたんに感情的になる人が現れてくる。興味深い現象だ。 …