福岡市の県立高校の体育祭で行われた騎馬戦で大けがをして重い障害が残ったのは学校が安全への配慮を怠ったためだとして、当時、高校3年生だった男性が県を訴えていた裁判で、福岡地方裁判所は原告の訴えを認め、県に2億円余りの賠償を命じました。 裁判で原告は「競技の危険性を説明せず、事前の練習も行わなかった。競技の実施中も安全に配慮する義務を怠った」と主張していました。 一方、福岡県は「ラグビーのヘッドキャップを着用させたり、騎馬一組に1人の審判をつけたりするなど安全には配慮してきた」と反論していました。 3日の判決で、福岡地方裁判所の永井裕之裁判長は「騎馬戦は、騎手の落下が当然、予想される競技で、その危険性と転落時にとるべき安全確保の手段を指導したり、対戦する騎馬1組に対し複数の審判員を配置すべきだった」として、原告の主張をほぼ認め、県に2億円余りの賠償を命じました。