さまざまな分野で活躍する著名人にお気に入りの本を紹介してもらうインタビュー連載「私の愛読書」。今回、ご登場いただいたのは、このほど世界の歴史の裏で暗躍するスパイの事情を明らかにした『世界史を変えたスパイたち』(日経BP)を上梓した、ジャーナリスト・東京工業大学特命教授の池上彰さんだ。豊富な知識を裏づける大変な読書家で知られる池上さんがセレクトしてくださった本は全部で5冊。一体どんな本なのか、さっそくお話をうかがった。 (取材・文=荒井理恵 撮影=川口宗道) ーーまず1冊目は『続 地方記者』(朝日新聞社:編/朝日新聞社*絶版)。池上さんが記者を目指したきっかけとなった1冊だそうですね。 池上 人生を決めた1冊ですね。小6のときに家の近くの本屋でこの本をみつけて、小遣いで買って読んだんですが、地方で働く新聞記者ってなんて面白いんだろう、将来は必ず地方で働く新聞記者になりたい、と決意するきっかけ