理化学研究所(理研)は10月21日、認知症や運動機能障害などを引き起こす「神経変性疾患」において、神経細胞内で共通してみられる異常タンパク質を分解する新たなメカニズムを解明したと発表した。研究は理研脳科学総合研究センター構造神経病理研究チームの貫名信行チームリーダーと松本弦研究員らによるもので、成果は米科学雑誌「Molecular Cell」10月号に掲載予定で、それに先だって日本時間10月21日発行の同誌オンライン版に掲載される。 アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病などの神経変性疾患に共通する特徴は、神経細胞内に凝集した異常タンパク質の蓄積だ。異常タンパク質は細胞毒性を持つため、神経細胞変成や細胞死を引き起こしてしまう。 細胞は、タンパク質の分解を生業とする巨大酵素複合体「プロテアソーム」を有していたり、細胞が自分自身を分解する「オートファジー」といった