フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが作曲した『ピアノ協奏曲ト長調』は、日本では昭和を代表する日本映画「ゴジラ」メインテーマ曲との関連で言及されることが多い。 具体的には、ラヴェル『ピアノ協奏曲』の一部のメロディが、映画「ゴジラ」テーマ曲で繰り返されるフレーズの元となっているという話なのだが、これについて作曲者とラヴェルとの関係から若干解説をしていきたい。 作曲者:伊福部昭とラヴェル 日本映画「ゴジラ」シリーズの音楽を手掛けたのは、北海道出身のクラシック音楽家・伊福部 昭(いふくべ あきら/1914-2006)。 学生時代からほぼ独学でバイオリンを始めており、北海道大学時代には文武会管絃学部のコンサートマスターを務めるほどの腕前になっていた。 ラヴェル『ボレロ』との出会い 伊福部 昭はモーリス・ラヴェルの大ファンとして知られている。彼がラヴェルと初めて出会ったのは学生時代。 モーリス・ラヴェ