精神科医のアンデシュ・ハンセンさん ©Stefan Tell 「努力は遺伝に勝てない」「子育ての苦労や英才教育の多くは徒労に終わる」など、日本において口にすべきでないとされがちな“不愉快な現実”がある。これらのタブーを進化論や遺伝学、脳科学の知見から明かしたベストセラーが橘玲さんの『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(新潮新書)だ。 この橘さんが「同じことをいっている」というスウェーデンの精神科医がいる。世界的ベストセラー『スマホ脳』の著者、アンデシュ・ハンセンさんだ。ハンセンさんが遺伝や進化の観点から心の問題を解説した最新刊『メンタル脳』(新潮新書)は、スウェーデンの4000の学校に配られたという。 他国では推奨される一方で日本においてはタブー扱いされる、メンタルと遺伝・進化の深い関係について解説した橘さんの『メンタル脳』書評を以下、ご紹介する。 *** 拙著『言ってはいけない』で、「ひ