東京電力福島第1原発事故に伴う電力の供給低下を補うため液化天然ガス(LNG)の輸入量が急増している。5、6月はともに前年同月から2ケタの伸び。現在は世界の供給量に余裕があり、日本の需要急増をまかなえているが、今後は中国の需要増加で世界の需給逼迫(ひっぱく)が見込まれ、商社各社は新たな調達先の確保を急いでいる。 5月の輸入量は前年同月比26%増の603万トン、6月も同10.6%増の622万トン。東日本大震災後の原発の停止や再稼働の延期で北海道電力などを除く電力7社がLNG火力のたき増しで供給力確保に努めているため。 東京電力は3~6月のLNG消費量が同約6~33%上昇。浜岡原発を停止した中部電力もLNG火力復旧を急ピッチで進めている。電力各社のLNG消費は「夏場の安定供給のためさらに拡大する」(東電)のは確実だ。 商社や電力・ガス会社は通常、LNGを長期契約で開発会社から調達しており、不足が