ベルリン支局に着任して1か月余りたった5月の上旬。 支局に、日本をはじめとしたアジア関連の書籍を主に出版しているドイツ南部ミュンヘンの出版社から新作を紹介する郵便物が届いた。 「日本のお笑いブーム」 「日本のお笑いブーム」。ドイツ語で目にするとは想像もしていなかったタイトルの本が混じっていた。表紙には、人気お笑いコンビ「笑い飯」の2人が、マイクの前で頭を下げる写真が使われている。 きっと、日本人が書いたに違いない。瞬間的にそう思った。 ところが、著者は、ティル・バインゲルトナーさん(34)。ドイツ人だ。しかも紹介文には、「お笑いブームを研究した初めての包括的な本」とある。 日本人と国民性に共通点が多いと受け止められているドイツ人の目には、「日本のお笑い」はどのように映っているのか、本はまだ書店に並んでいない。バインゲルトナーさんに話を聞きたくなった。 ボケ担当だったお笑い研究者 彼は、イギ