戦前の治安維持法下で弾圧され、わずか五年で活動に終止符を打った日本プロレタリア映画同盟(プロキノ)が製作した五十本以上の映画のうち、残っていた六本がDVD化され、「プロキノ作品集」として発売された。一九三〇年前後の社会状況、労働運動を記録した貴重な資料であるとともに、映画の原始的なパワーも感じさせる。 (井上喜博) DVDになったのは、一九二九(昭和四)年三月に右翼に暗殺された山本宣治・労農党議員の告別式を隠し撮りした「山本宣治告別式」▽三一年五月に東京・芝公園で行われたメーデーのパレードを記録した「第十二回東京メーデー」▽三二年の東京市電・市バス争議における警官隊と労働者の激しい衝突をとらえた「全線」-などで、合わせて四十五分ほどの長さ。