「大井の帝王」と呼ばれる名騎手が、半世紀近く主戦場としてきたホームグラウンドで、ついに「鉄人」を超えた――。 東京・大井競馬場に所属する的場文男が、8月12日、大井競馬第5レースを1番人気のシルヴェーヌで優勝。佐々木竹見が保持し、「不滅」と言われた地方競馬最多勝記録を17年ぶりに更新する7152勝目をマークした。 「お待たせして申し訳ありませんでした。ファンの方々、厩舎関係者、マスコミ関係者といったみなさんのおかげで日本一になれました。喜びと感謝の気持ちで一杯です」 ウイニングランの馬上から、そして、記録達成記念セレモニーの賞典台(お立ち台)からも、1万5000人ほどのファンに何度も頭を下げた。 1973年にデビューしてから45年。4万567戦目での記録更新だった。現在61歳。来月62歳になるレジェンドは、今も33年連続年間100勝以上、37年連続重賞勝利という驚異的な記録を更新中である。