「社交恐怖の精神分析的なアプローチ」は今年の5月の末が締め切りの依頼原稿だが、ここを利用しないとどうしても書き出せない。というのもどうにもモティベーションが湧かないからだ。社交恐怖(しばらくは対人恐怖と同義として用いる)には興味はある。(自分がある意味ではそうだ。)それに精神分析にも興味がある。(これでもブンセキカだ!)しかし「社交恐怖の精神分析」となると、とたんに何を書いていいかわからなくなるのである。 ただ某学術誌(「●神●学」)の編集者が私に原稿を依頼して来た理由はわからないでもない。私は「精神分析における恥」というテーマの三部作をかつて「精神分析研究」誌に寄稿したこともあるくらいだからだ。1992~1994年くらいの話だ。ただその論文では、「精神分析的に恥の病理としての社交恐怖を扱うことにはかなりの限界がともなう」、ということを書いたはずである。ある意味では伝統的な精神分析への内部