アルプスの麓に残された中世の小都市で緑と歴史を味わう~チロル(Tyrol)とインスブルック(Innsbruck)/オーストリア及びイタリア 「チロル」という言葉は日本語の中に浸透しているものの、実際に何を指すのかは分かりにくい。自然を生かした観光施設の名称だったり、服飾などの柄だったり、食べ物の名前だったりもする。 実際の「チロル」は、オーストリアとイタリアの国境付近、アルプスの山の麓に広がる高原地域を指す。豊かな緑と長く富んだ歴史を持つ地域にはヨーロッパ中からの観光客が通年訪れている。 南北に分かれたチロル 現在はオーストリアとイタリアという二国に別れているチロル地方だが、もともとはアルプス山脈東側の広い地域全体の総称だった。 チロルの北東部はオーストリアの「チロル州」、南部はイタリアの自治州となっている。国こそ異なるものの、同じアルプスを背負った「チロル」という観光地として通年旅行客を