理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター計算分子設計研究チームの泰地真弘人チームリーダーらの研究チームは、分子動力学(MD)[1]シミュレーション専用計算機「MDGRAPE-4A[2]」の開発に成功しました。 本研究成果は、インシリコ創薬[3]の可能性を大きく拡げるものと期待できます。 MDシミュレーションは、水溶液中で変化し続けるタンパク質構造を解析するために、タンパク質を構成する原子や周囲の水分子に働く力を計算し、コンピュータ内でタンパク質を「動かす」手法です。大きなタンパク質の解析には、汎用スーパーコンピュータ[4](スパコン)でも膨大な時間がかかるため、分子シミュレーションを高速で行う専用スパコンの開発が待たれていました。 今回、研究チームは、自ら設計・開発した専用の大規模集積回路(LSI)[5]を512個搭載し、システム全体として約1.3ペタフロップス(1秒間に1,300兆回