そもそも「地政学」とは何か? 地理的条件は世界をどう動かしてきたのか? 「そもそも」「なぜ」から根本的に問いなおし、激動世界のしくみを深く読み解く新たな地政学入門書『戦争の地政学』が話題になっている。 現代人の必須教養「地政学」の二つの世界観を理解することで、17世紀ヨーロッパの国際情勢から第二次大戦前後の日本、冷戦、ロシア・ウクライナ戦争まで、約500年間に起きた戦争の「構造を視る力」をゼロから身につける――。 大陸系地政学の復活 「歴史の終わり」としての「自由民主主義の勝利」が語られていた1990年代から、アイデンティティをめぐる地域紛争の増加、宗教的事情を背景に持つテロ事件の頻発、保護貿易主義を掲げる政治運動の台頭などの事象もあった。 「文明の衝突」のイメージは、冷戦体制が終わって平和になるはずだったヨーロッパで、民族集団の間で始まったボスニア・ヘルツェゴビナにおける紛争などによって