ノートルダム清心女子大学などが発掘を進めてきた古代トルコの遺跡の調査報告が行われました。従来、メソポタミアと思われてきた都市の起源説を覆す可能性が報告されています。ノートルダム清心女子大学や岡山大学…
2001年、骨董品市場に突然、大量の考古学的遺物が売られはじめた。独特な宝石や、武器、精巧な作りの陶器、酒器、ゲームボードなど、いずれも芸術性が非常に高く、カーネリアン(紅玉髄)とラピスラズリの見事な象眼細工が施されていた。作品には、動物が象徴的に表現されており、動物どうしや人間との戦いも描かれていたが、常に人間が勝利していた。動物たちが広大なヤシの木立の中で草をはむ牧歌的な風景や、寺院や宮殿な
by Brixit Lorenzo de la Fuente アフリカ大陸北東部に広がるサハラ砂漠は、南極を除いて世界最大の砂漠として知られていますが、数千年前のサハラ砂漠には21世紀と全く違った光景が広がっていたそうです。文明の歴史について解説するポッドキャストを配信しているFall of Civilizations Podcastが、「かつてサハラ砂漠は緑に覆われていた」と述べ、なぜサハラ砂漠の緑が失われたのかといった理由についても解説しています。 Today, we know that Sahara Desert as a vast sea of sand and salt flats. But up until around 5,000 years ago, this is how it looked. It was a green landscape of Savannahs,
農薬や化学肥料を用いずに環境負荷を低減した方法で行われる有機農業には、「自然に優しい」「健康にいい」「土壌にいい」といったさまざまなメリットがあると提唱されています。有機農業が従来の農業とどのように違うのかを調べるため、数十年にわたって有機農業と従来農業の比較実験を行った結果が、有機農業の研究を支援するアメリカの非営利団体・Rodale Instituteによって公開されています。 Farming Systems Trial - Rodale Institute https://rodaleinstitute.org/science/farming-systems-trial/ Rodale Instituteが行っている「Farming Systems Trial」は、北米で最も長く実行されている有機農業と従来農業の比較実験です。1981年にスタートしたFarming Systems T
世界史を見る視点が大きく変わる壮大な文明論 「反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー」ジェームズ・C・スコット著(みすず書房)を読みました。 紀元前4000年から紀元前2000年の時期に、我々の祖先が作り上げた「国家」という仕組みがどのように成立したか、その中で穀物がどのような役割を果たしたかを、考古学・人類学のファクトを元にし壮大で大胆な仮説が提示されています。 その中で国家が民を支配していく中で、税が課され、兵役や労役が課され、疫病が流行り、ロクなもんは食えず、人間が自分たちをどんどん不幸な方向に追い込んでいく様が描かれます。 賛否はあると思いますが、「何だ、やっぱ国家ってロクなもんじゃねえな」という感想を持つ人もいるかもしれません。 1. なぜ国家は生まれたのか 本書の筆者ジェームズ・C・スコットはイェール大学の人類学者・政治学者。東南アジアをフィールドとし、地主や国家の権力
by Umberto Lombardo アマゾン川流域に広がるアマゾン盆地には、アマゾンと聞いて連想するような熱帯雨林だけでなく、草原地帯も存在します。そんなアマゾン盆地に位置するボリビア北部のモホスという地域には、草原地帯の中に点々と小島のような「森」が存在していることが知られており、研究者らはこの小さな森が「先史時代の人々が農業を行った痕跡」だという証拠を発見しました。 Early Holocene crop cultivation and landscape modification in Amazonia | Nature https://www.nature.com/articles/s41586-020-2162-7 Evidence of 10,000-Year-Old Crops Points to the Amazon as an Early Agricultural H
神も人類が作り出したフィクションとすれば、人類に罰を与える神の誕生はいつだったのか。有史以前から人類が信仰心を持っていたことは考古学的な史料から明らかだが、人類は神による懲罰により集団をまとめていくための道徳的規範を作ったという仮説がある。つまり、神が最初で大規模集団が後ということだが、今回その仮説を覆す論文が出た。 世界の道徳的懲罰神を調査分析 悪いことをすると地獄に墜ちる、嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる──小さい子はよくこう脅かされるが、宗教的な懲罰が人類集団をまとめているのか、それとも人類集団が成立してから懲罰神信仰が生まれたのかは、人類学者や宗教学者の間で長く議論されてきた。 今回、日本の慶應大学や英国のオックスフォード大学などの研究グループが、人類史1万年の記録(ビッグデータ)をデータベース化して人類がどうやって大集団の複雑な社会を作り上げることができたのかを解析し、その結果を英
人類は、いつから農業を始めたのか。農業を始めたことで、人類の生活水準は本当に向上したのだろうか。狩猟と採取で生計を立てている民族を参考に、かつての人類の姿を想像しつつ、この問題を考えてみよう。 1. 狩猟民族は農耕民族よりも生活は楽である今日、世界の辺境と呼ばれる地域で、農業や牧畜を営むことなく、狩猟と採取で生計を立てている未開民族がいる。私たちは、メディアを通じて「貧しく飢えた発展途上国の人々」というイメージを植え付けられているから、狩猟採取に従事する未開民族は、貧しくて不安定な生活を送っているに違いないと考えがちである。 しかし調査によれば、農業を行わない狩猟採集民が食物生産に費やす時間は、成人労働者一人当たり平均三時間から四時間である。残りの時間は、遊んで楽しむことができる。長時間労働を強いられ、過労死寸前の日本人にとっては、うらやましい限りである。農耕牧畜民族より、狩猟採集民族の方
中期新石器時代の器。古代のチーズに関する研究でも、このような器が分析された。(PHOTOGRAPHY COURTESY OF SIBENIK CITY MUSEUM) チーズに目がない人は多いだろう。モッツァレラ、パルメザン、ブリー――チーズの種類はいくつも思い浮かぶ人でも、人類がいつからチーズを作り始めたかは実ははっきりしていない。一般的には、先人たちは1万年以上前にウシやヤギ、ヒツジを家畜にして、その直後から搾乳を始めたと考えられている。チーズも、同じ頃に発明されたと考えられている。(参考記事:「チーズ好きなら一生に一度は訪れたい街 5選」) このほど科学誌「PLOS ONE」に発表された最新の論文は、地中海沿岸地域におけるチーズ製造の最古の証拠を発見したとしている。7200年前の器の破片から、チーズの痕跡が見つかったというのだ。ただ、この研究成果に納得しない科学者も多い。この研究には
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