ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (14)

  • 法政策としての靖国問題(前振り付再掲) - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    弁護士の堀新さんがこうつぶやいているのですが、 靖国神社が宗教施設であることで、実は国も靖国神社自身も、厄介な議論から逃れることができているとも言える。 仮に「靖国国立戦士廟」みたいな国営の非宗教施設だったらどうか。誰を追悼対象にするか、歴史的評価をどうするか、過去の戦争の行為を賞賛して良いのか…などの問題が起こり 政府は頭を悩ませることになるだろう。 一方の靖国神社も「一度合祀した神霊は分離できない」等の宗教的な理屈を持ち出して、分祀や移転を否定し、さらには「何をやろうと誰を祀ろうと民間の宗教法人だから自由だ」と開き直ることもできる。 国立の施設だったらそういう逃げ道がないのである。 この問題は、表と裏が逆ですが、政府の政策という観点から、もう17年も前にブログで取り上げたことがあります。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/0

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  • リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い(再掲)とその前説 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    弁護士の堀新さんがこう呟いている(Xしてる?)んですが、 https://twitter.com/ShinHori1/status/1686574496952758272 大戦後の日の言論や論壇の世界では長らく左派が有力だったとかいう議論があるが、左派といっても実際は社会主義派というような人は少なくて、多数の評論家やジャーナリストは「なんとなく社会福祉だけはあってほしいアナーキスト」みたいな感じの論調が多かったような気がする。 もう少しいうと、日の言論界で割と多かったのは 「社会福祉と文化施設だけはあってほしい無政府主義者」 みたいな緩やか左派的な論者だったのではないか。 こういうのは欧米流のポリティカルコンパスの「経済右派・左派」の図にはうまく落とし込めない。 変な言い方になるが、戦後日の左派的な言論界の多数派も、ある意味「小さな政府主義者」だったのである。 戦後日の左派言論の「

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  • ナチス「逆張り」論の陥穽(再掲) - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    最近、田野さんのが話題になっているということなので、この点はきちんと明確にしておかなければならないと思い、昨年のエントリをそのまま再掲することにしました。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-ed416b.html 昨日の朝日新聞の15面に、「逆張りの引力」という耕論で3人が登場し、そのうち田野大輔さんが「ナチスは良いこともした」という逆張り論を批判しています。 https://www.asahi.com/articles/ASQ5S4HFPQ5SUPQJ001.html 私が専門とするナチズムの領域には、「ナチスは良いこともした」という逆張りがかねてより存在します。絶対悪とされるナチスを、なぜそんな風に言うのか。私はそこに、ナチスへの関心とは別の、いくつかの欲求があると感じています。 ナチスを肯定的に評価する言動

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  • 性的指向による差別を禁止する法案は21年前に自民党政権がちゃんと出していた件について - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    もうこれも嫌になるくらい繰り返してきた話ですが、保守反動政権の出してくる法案はことごとくけしからんものだから叩き潰すのが当然と心得ているらしい方々には全然教訓になっていないらしいので、再三再四になりますが再掲しておきますね。 文中「16年も前の2002年」とあるのは、「21年も前の2002年」と読み替えて下さい。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/lgbt-7b3d.htmlLGBTと人権擁護法案) いろいろと世間が騒がしいようですが、LGBTと言われる性的指向に係る差別や侮辱、嫌がらせ的言動については、16年も前の2002年の段階で、当時の自民党政権から提出された人権擁護法案に、ちゃんとこういう規定があったことを、覚えている人はどれくらいいるでしょうか。 http://www.moj.go.jp/content/0001

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  • カール・マルクス『一八世紀の秘密外交史』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    カール・マルクス『一八世紀の秘密外交史 ロシア専制の起源』(白水社)をお送りいただきました。 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b621504.html と、書くと、えっ?と思われる方も多いかも知れません。 いや、正真正銘の、あのひげのおじさんのマルクスのです。ただし、浩瀚なマルクス・エンゲルス全集には収録されていない稀覯論文です。 なぜ収録されていないか?それは、レーニンや、とりわけスターリンの逆鱗に触れるような中身だからです。 タタールの軛がもたらしたものは? なぜロシアは膨張したのか? クリミア戦争下構想され、数奇な運命を辿ったマルクスによるロシア通史。 「ロシアが欲しいのは水である」 資主義の理論的解明に生涯を捧げたマルクス。彼はこの『資論』に結実する探究の傍ら、一八五〇年代、資の文明化作用を阻むアジア的社会の研究から、東洋的専制を発見する

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  • 男女賃金格差の開示をめぐって@『労基旬報』2023年1月5日号 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    既に多くの方が周知のように、昨年7月8日の女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令の改正により、常時雇用する労働者が301人以上の事業主には、「男女の賃金の差異」が情報公表の必須項目となりました。 これまで301人以上規模の事業主は、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」として、「採用した女性労働者の割合」や「男女別の競争倍率」、「役員に占める女性の割合」など、8項目のうちから1項目以上を選択して公表する義務がありましたが、今回の改正により、この他に男女の賃金差の公表が新たに独立の項目として義務づけられました。 ただ、そのやり方はいささか大まかな感を与えるものとなっています。同日付で出された厚生労働省雇用環境・均等局長の通達(雇均発0708第2号)は、まず労働者を男女別で正規・非正規に区分し、4種類に分けた区分ごとに、それぞれの総賃金と

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  • 習近平の歴史観が鮮明に-潘岳『東西文明比較互鑑-秦・南北朝時代編』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    『労働新聞』に月1回で寄稿している書評コラムですが、今回は潘岳『東西文明比較互鑑-秦・南北朝時代編』です。 https://www.rodo.co.jp/column/136494/ 潘岳という名前は、よほどの中国政治の専門家でないとあまり知られていないかも知れませんが、今年6月に国家民族事務委員会主任に就任したばかりの中国の少数民族政策の大元締めです。 コロナ禍の収まらぬ現代世界で、プーチンのロシアウクライナに侵攻し、習近平の中国はウイグルなど少数民族を抑圧し、香港を圧殺し、台湾を恫喝する。そうした帝国主義的行動の背後にどのような思想があるのか、いかなる歴史観に動かされているのか、隣国日の住人として関心を持たざるを得ない。ウクライナ民族の存在を否定し、大ロシア民族の裏切り者とみなすプーチン史観はまだ分かりやすい。しかし、声高に「中華民族」の統一を掲げる習近平史観は分かりにくい。 それ

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  • いや、それが「賃上げ」ってものなんだが・・・ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    プロフィールによると、東大経済学部を首席卒業し、大蔵省に入省して、今は慶應義塾大学の先生をしているという方が、東洋経済オンラインに「日人の「賃上げ」という考え方自体が大間違いだ」という文章を書いているのですが、初めの数パラグラフを読んだところで頭を抱えてしまいました。いや、その主張に賛成とか反対とかいうレベルの話ではなく、その言っていることが論理的に全く理解できないのです。 https://toyokeizai.net/list/author/%E5%B0%8F%E5%B9%A1_%E7%B8%BE https://toyokeizai.net/articles/-/609671(日人の「賃上げ」という考え方自体が大間違いだ 給料を決めるのは、政府でも企業でもない) ・・・しかし、実は、彼らもかんべえ氏も180度間違っている。なぜなら「賃上げ」という考え方そのものが間違っているからだ。

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  • ミドルスキル労働者の非正規化と正社員のロースキル化 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    過去30年間に進行し、私も含めていろいろと議論されてきた労働力の非正規化の一つの解釈として、それまでは企業メンバーシップに包摂されていたミドルスキル労働者が非正規化していったというのがあるわけですが、その一つの例証のような記事が、noteに載っていました。「やま」さんという方の吐露です。 https://note.com/yama0117/n/n39d6666beb0b ○事務派遣時代 私は3年半ぐらい生産管理の事務派遣をしていた。 生産計画を立て日々の進捗を確認してやる仕事。 一品毎に仕様が違う部分があるので設計にフォローを入れて特殊品がある場合は先に購買に情報を流し、更には営業が入れた納期が当かの確認を行い、生産進捗を行うというまあ後から分かったけどかなり大変な生産管理を経験した。 正社員と同じで担当ラインを持ち、そこを任されるという形。 はっきり言って正社員の方々より上手くやれてい

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  • アンチが騒ぐ前にリベラル派が騒いで潰した人権擁護法案 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    朝日のこの記事に、 https://www.asahi.com/articles/DA3S15344730.html(あらゆる差別禁止、法律化求める動き 「包括法」欧州各国で制定進む) おきさやかさんがこうつぶやいているんですが、 https://twitter.com/okisayaka/status/1544266020172341248 欧州だけでなく韓国も導入してたような。日は2000年代にアンチが騒いで頓挫した 歴史的事実を正確に言うと、右派のアンチ人権派が騒ぐより前に、来なら人権擁護を主張すべきリベラル派が報道の自由を侵すと騒いで潰したんですよ。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-0347.html(人種差別撤廃条約と雇用労働関係) ・・・・実は、2002年に当時の小泉内閣から国会に提出された人権擁

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  • 性風俗営業とコロナ給付金 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    日、東京地裁が性風俗営業を持続化給付金の対象から除外したのは違法ではないという判決を下したようです。 https://www.asahi.com/articles/ASQ6Y748XQ6TUTIL002.html 性風俗事業者が新型コロナウイルス対策の持続化給付金などの対象から外されたのは、憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、関西地方のデリバリーヘルス(無店舗の派遣型風俗店)運営会社が、国などに未払いの給付金や慰謝料など計約450万円を求めた訴訟で、東京地裁(岡田幸人裁判長)は30日、請求を退ける判決を言い渡した。 この件で興味深いのは、この記事の最後にも書かれているように、厚生労働省所管の雇用調整助成金等では、当初対象外とされたものの、その後批判を受けて対象に含められたのに、経済産業省所管の持続化給付金では対象外のままで、裁判にまで発展した点です。 この件については、一昨年か

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  • それはジョブ型詐欺 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    プレジデントウーマンのコラムに、溝上憲文さんが「「転勤はイヤ」「自己完結の仕事がいい」ジョブ型雇用を勘違いした就活生を待ち受ける厳しい現実」という記事を書いているのですが、読んだら頭を抱えてしまいました。 https://president.jp/articles/-/58130 就活生の間でジョブ型人事制度を導入した企業が人気になっている。ジャーナリストの溝上憲文さんは「彼らが転勤を含む異動はもちろん、仕事の進め方や働き方を自分でコントロールできると勘違いしているようです」という――。 言っていることは、それ自体としては正しいとも言えます。日の企業が導入していると称している「ジョブ型」なるものは、欧米の雇用社会を指す言葉としての「ジョブ型」とは似ても似つかない、変形メンバーシップ型でしかないのですから。 ところが、溝上さんはそれを学生たちの勘違いだと批判するんですね。 もしそうならジョ

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  • ナチス「逆張り」論の陥穽 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    昨日の朝日新聞の15面に、「逆張りの引力」という耕論で3人が登場し、そのうち田野大輔さんが「ナチスは良いこともした」という逆張り論を批判しています。 https://www.asahi.com/articles/ASQ5S4HFPQ5SUPQJ001.html 私が専門とするナチズムの領域には、「ナチスは良いこともした」という逆張りがかねてより存在します。絶対悪とされるナチスを、なぜそんな風に言うのか。私はそこに、ナチスへの関心とは別の、いくつかの欲求があると感じています。 ナチスを肯定的に評価する言動の多くは、「アウトバーンの建設で失業を解消した」といった経済政策を中心にしたもので、書籍も出版されています。研究者の世界ではすでに否定されている見方で、著者は歴史やナチズムの専門家ではありません。かつては一部の「トンデモ」に限られていましたが、今はSNSで広く可視化されるようになっています

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  • 性交契約の違法性について - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    余りきちんと追いかけていなかったのですが、例の成人年齢引下げとアダルトビデオの問題が新法制定という話になり、こういう問題が提起されるに至っていたようです。 https://www.asahi.com/articles/ASQ5C00K8Q5BUTFL00L.html(AV対策新法に「待った」 性行為の撮影、合法化しないで) アダルトビデオ(AV)撮影による被害を防ぐため、与党がまとめた新しい法律の骨子案に対し、「性行為の撮影を合法化してしまう」と懸念の声が上がっています。・・・・ ――新法にはどんな懸念があるのでしょうか。教えてください。 岡さん まず、与野党が協議している法案の骨子案にAVの定義が書いてあります。「性行為などを撮影した映像」という趣旨の文言です。性交など性行為の撮影を肯定することが前提となっており、この法律自体がそうした性行為を伴う契約が許されると認めてしまうことになりま

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