権力の監視は報道の原則だ。自分の考えと親和性がある場合でも権力の監視を怠れば、新聞の意義も意味もない。一方、権力者は常に批判される立場にある。 国家が取材者に制限をかけたり、書いた記事をもとに身柄を拘束したりして、不利益をもたらすことは理由の如何(いかん)を問わず許されることではない。中国での取材中に公安当局に拘束されたことがあるが、「報道の自由が認められない国を国家として認めることはできない」と主張した。 名誉毀損(きそん)で訴えられたこともある。週刊誌に執筆した医療法人の診療報酬不正事件をめぐる記事が原因だったが、裁判では「あらゆる表現と論評の自由を認められるべきだ」と主張。証人も出廷し、勝訴した。 旅客船「セウォル号」沈没事故の直後、朴槿恵(パク・クネ)大統領が7時間も不在だったことは重要な問題で、大統領には説明する義務がある。加藤達也前ソウル支局長(現東京本社社会部編集委員)を在宅