12月2日公示の衆院選で、遠洋漁船などの乗組員が船からファクスで投票する「洋上投票」ができず、蚊帳の外に置かれている。抜き打ちの解散で、ほとんどの船が事前に手続きできないまま出航したためだ。同じく短期決戦だった2012年の衆院選でも東北の投票実績はゼロ。気仙沼市の漁船基地からは「船員の選挙権がないがしろにされている」と疑問の声が上がる。 【衆院選の風景】事務所開きで四苦八苦 洋上投票は、船長が事前に選管から乗組員の投票用送信用紙を受け取り、公示後に船内のファクスから投票する不在者投票の一種。 解散から公示までわずか11日間という異例の超短期決戦となり、遠洋マグロ漁船4隻が操業中の気仙沼市の漁業会社は「唐突だったので乗組員の投票用紙が準備できていない」と打ち明ける。 28日、洋上投票用のファクス装置を設置した気仙沼市選管の担当者は「急きょの申し込みは難しいだろう」とみる。気仙沼市を含め宮