前回の日記で済ませようと思っていたのだが、はてなキーワードで辿ってみると多くの人が伊藤計劃の日記や著書に対する個人的な思いを長文で書いていて、そのネットにおける葬式みたいなさまがいかにも伊藤計劃を弔うのにふさわしく思えて、なんだか感じ入ってしまった。私も自分の思いを書いてみたい。 私が伊藤計劃のことを初めて知ったのは、はてなダイアリーのProjectitohとしてだった。面白い日記だなぁと思いつつ、巡回先の一つとして覗いていたのだが、次第に引き込まれていった。この人、えらい文章書くなぁ、と。 折に触れて何度も読み直す、印象的な文章がある。 スーザン・ソンタグは「隠喩としての病」で、かつて「結核」がそうであったような、「病」につきまとう神話性・文学性を解体して、「ただの病気」として病に付き合うことを探ったけれど、これは彼女自身が乳癌を患い、その戦いの過程から生まれてきたものであって(病と「戦