これまでのあらすじ ヒノハラの創業者で前社長の日野原五郎から合計9億円の小切手を手渡された団達也は、当面の資金繰りにメドが立ったことから、ヒノハラの再建に向けて本格的に動き出した。 監査役で会計士の西郷幸太を交えて行った役員会議で達也が述べた再建案とは、短期、中期、長期の3つに分けて行うものだった。 達也は短期に実現すべきはキャッシュフローの確保であり、利益の確保ではないと言った。そして具体策として示したのが、「すべての費用の削減と、運転資本の最適化」だった。 これまで「在庫利益」という考え方で、赤字になりそうだったら在庫を増やせばいいと考えていた日野原太郎は、達也と西郷からなぜ在庫を減らすべきなのかの説明を聞き、営業にも会計の知識が必要なことを初めて実感した。 ヒノハラ 「運転資本の最適化の次がコスト削減だ。でも、ただコストを削減すればいいのではないんだ」 「価値を生まないコストを注意深