山本紀夫氏の「ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争」を拝読した。栽培植物としてのジャガイモの歴史を辿る本で、著者が植物学から文化人類学へ専門を変えた人のためか、技術史の本として面白い。 イモでは力が出ない、聖書に載っていないから不浄だと言う人は、21世紀の現在ではかなりの少数派だと思うのだが、ジャガイモへの偏見は多かったそうだ。本書はこの穀類に劣るジャガイモと言う偏見を打破するのが目的らしいが、この偏見なしでも楽しめる。 1. ジャガイモにおける技術革新 第1章と第2章は、ジャガイモの誕生と初期の農耕技術について語られており、紀元前5000年前の農業分野の技術革新を知ることができる。ジャガイモは中央アンデスに野生種があり、それを食べるようになったのだが、ソラニンと言う毒を分泌しているために、工夫なしでは利用できない。まずは加工技術が進歩して毒抜きと保存が可能になり、次に品種改良によって毒が
人はどこまで高みを目指すのだろう。かつてロケットに乗り、地球から38万キロ離れた月に到達したのは、選び抜かれた3人の宇宙飛行士だった。43年後の今、誰もが気軽に宇宙へ行ける時代の到来が現実味を帯びつつある。全長10万キロの長いケーブルに昇降機を上下させ、地上と宇宙を往来する「宇宙エレベーター」。こうした途方もないアイデアを情熱と技術で実現しようと奮闘する人たちがいる。【斎藤広子、写真・岩下幸一郎】 宇宙エレベーターは建設方法が変わっている。高層ビルのように地上から組み上げるのではなく、宇宙空間に浮かぶ人工衛星から地上までケーブルを垂らすという。 地上約4メートルの高さに設置した「宇宙ステーション」に向かって昇降機を上下させ、時間内に人形やボールを運んでその数を競うクライマーレース。子どもたちの歓声が響いた=東京都江東区で、岩下幸一郎撮影 赤道の上空約3万6000キロを地球の自転と同じ速さで
「台所空間学座談会」(山口昌伴ほか)読了。 食文化に注目が集まる今日、台所だけが取り残されている。 座談会 台所空間学 作者: 山本夏彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1985/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 目次 第一章 いまは昔の食の風景 第二章 どこへいった、「味」と「台所」 第三章 そこでだれが作ってだれが食べるか 第四章 台所開眼―デザイナーおおいに語る 先日、渋谷の古本市で偶然見つけた一冊だ。台所空間学 (コンフォルト・ライブラリィ)という本の評判は前から聞いていたのだが、その座談会バージョンということで、迷わず購入した。「台所」を注意深く眺めると、日本人の食文化と生活がまったく新しいものとして見えてくる。 台所ってなんなのだろう? 台所とは本来的にはなんだったのか?そんなの、料理をつくる場所に決まっている?実は、僕らが今考えている台所と、そ
福島の事故以来、反原発の世論はかつてないほど高まっている。 原子力発電には事故コストも含めれば経済的合理性が本来なかった、市場原理に従っていれば今回のような事故は起こらなかった、という意見は確かにその通りかもしれない。 しかしもともと原子力発電が推進されたのは、単なる目先の経済合理性ではなくより長期的なエネルギーセキュリティーの観点(そして敢えて言えば未来のエネルギーへの夢)があったはずである。 石油は昔から「あと30年しか持たない」と言われてきた。様々な技術革新によって埋蔵量は当時の予測を超えて伸びてきたが、結局の所いつまでも世界のエネルギー需要を満たし続けることは出来ない。 だからこそ、未来のエネルギーとしての原子力の利用を官民一体となって推し進めてきたし、その為に原子力損害賠償法や電力三法のようなものも作った。 しかし残念ながら事故は起きてしまい、国民の間に原発に対する拒否感が高まっ
栃木県宇都宮市のベンチャー企業「エネルギー応用技術研究所」(菅野富男社長)が、電気自動車を短時間で充電できる大型蓄電器「電力貯蔵式急速充電システム」を開発し、国際特許を取得した。 菅野社長によると、フル充電するのに30分以上かかるが、同システムでは約5分。複数の電気自動車を充電できるという。菅野社長は「自動車メーカーと共同して電気自動車の普及に努めたい」と意気込んでいる。 菅野社長によると、現在の充電システムは電力会社から送られる電力を直接車に充電するため、送電線の容量を超える大量の電力を流すことができない。そこで電力を大型の蓄電池に貯めておき、充電が必要な車に蓄電池から一気に充電する方式を考えた。幅約10メートル、高さ約1・5メートルの大型蓄電池を使用すれば、100台の電気自動車に一度で充電できるという。 菅野社長は福島県出身。自動車やバッテリーのメーカーに計約20年勤務したが、「電気自
Jun 3, 2011 両面で発電する太陽電池 垂直に立てて光を受けるという発想の転換 (1) カテゴリ:科学技術に驚く 太陽電池の置き方は、できるだけ直射日光に垂直な角度にするのが効率がいい。 それでも稼働率は15%ほど、つまり1日に得られるのは [公称の最大出力] × [24時間] × [15%] ほどの電力だ。 だって、最大の出力が得られるのは昼の晴れ間だけ。朝・夕は光の角度が合わないし、夜は発電ゼロ。 理想は、太陽の動きを追ってパネルも動くようにすること。 これだと、稼働率は20%を超える。朝・夕の日光もいい角度で受けられるからね。 でも、設備代が高い。 直射日光を受けることにこだわらず、とにかく明るければ何がしかの発電はあるのだからと、パネルを垂直に立てて両面に太陽電池を貼るという発想の転換を知って驚いた。 これだと、今まで考えられなかったところに敷設できる。 日経産業新聞 平
レアアース(希土類)を使わない永久磁石の原料となる金属粉末を大量生産する技術を東北大学と金属製造会社「戸田工業」(広島県)のチームが開発した。 粉末を固形に加工すれば、電気自動車用のモーターなどを安価に製造できると期待される。2020年代の実用化を目指す。 ハイブリッド車やエアコンのモーターに使う強力な磁石のほとんどは、鉄のほかに希土類のネオジムとジスプロシウムを使っている。だが、採掘量の少ない希土類は高価なうえ、輸入量が産出国の思惑に左右されやすい欠点があった。 研究チームは、高い磁力があるものの大量生産が難しく、実用化が進まなかった窒化鉄に着目。原材料を溶解して焼き固める従来の方法ではなく、原材料が酸化しないよう工夫して化学合成したところ、希土類を含む磁石と同等以上の磁力を持つ直径1万分の1ミリ程度の窒化鉄の粒子ができた。 代表者の高橋研(みがく)・東北大教授は「窒化鉄の粒子は磁力が強
サービス終了のお知らせ SankeiBizは、2022年12月26日をもちましてサービスを終了させていただきました。長らくのご愛読、誠にありがとうございました。 産経デジタルがお送りする経済ニュースは「iza! 経済ニュース」でお楽しみください。 このページは5秒後に「iza!経済ニュース」(https://www.iza.ne.jp/economy/)に転送されます。 ページが切り替わらない場合は以下のボタンから「iza! 経済ニュース」へ移動をお願いします。 iza! 経済ニュースへ
サービス終了のお知らせ SankeiBizは、2022年12月26日をもちましてサービスを終了させていただきました。長らくのご愛読、誠にありがとうございました。 産経デジタルがお送りする経済ニュースは「iza! 経済ニュース」でお楽しみください。 このページは5秒後に「iza!経済ニュース」(https://www.iza.ne.jp/economy/)に転送されます。 ページが切り替わらない場合は以下のボタンから「iza! 経済ニュース」へ移動をお願いします。 iza! 経済ニュースへ
サービス終了のお知らせ SankeiBizは、2022年12月26日をもちましてサービスを終了させていただきました。長らくのご愛読、誠にありがとうございました。 産経デジタルがお送りする経済ニュースは「iza! 経済ニュース」でお楽しみください。 このページは5秒後に「iza!経済ニュース」(https://www.iza.ne.jp/economy/)に転送されます。 ページが切り替わらない場合は以下のボタンから「iza! 経済ニュース」へ移動をお願いします。 iza! 経済ニュースへ
シャープが中国・南京市で建設を申請していた液晶パネル工場について、中国政府が2世代前の技術を使った当初計画を認めず、代わりに最新鋭技術を投入した計画への変更を求めていることが21日、明らかになった。 中国は、政府調達の際に、情報技術(IT)製品の情報の開示を日本企業に求めており、液晶パネルでも最新鋭技術を取り込もうとする姿勢を強めている。 液晶テレビのパネル工場は、1枚のガラスから取り出せるパネルが大きいほど効率が良い。現在の最先端は「第10世代」と呼ばれ、シャープが2009年10月から大阪・堺工場で生産している。シャープは、「第8世代」の古い技術を使った工場を、中国の電機大手と合弁で南京市に建設する計画を申請していた。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く