仕事もそこそこに、帰りの喫茶店で、たまっていた読み物に一気に目を通す。 業界モノが多い。 昔ふうに言えば「土木」。 ちょっと前ならば「建設」。 今ならば「社会基盤」。 業界誌には、 「これからの建設産業はどうあるべきか」 同窓会誌には、「土木への期待」 など、この分野の将来がテーマになるものが多い。 そのタイトルを見ただけで嫌になるテーマである。 本来、土木は、基盤を作り、災害を軽減する。公共性の高い事業であるから、そもそもその建設そのものが制御されるものである。市場経済に乗りにくいものである。だから、あるべき論は、社会の需要をどう考えるか、社会の負担能力はどれだけあるのか、をいう公共の視点から発せられなければならないはず。そのための基礎情報が整理されないなかで、ごちゃごちゃ言っても始まらない。 ばさっとそれらの冊子をテーブルの上に置いて、はたと思う。 ーーー 建設産業、という言葉への違和