NHKのドキュメンタリー「被曝治療83日間の記録~東海村臨界事故~」を数回に分けて文字に起こした。東海村JCO臨界事故は、ずさんな管理体制が原因で、作業員が臨界による中性子を至近距離で直接受けた事件だ。第一回目は、作業員の全身の遺伝子が破壊され、皮膚の再生ができなくなった様子、苦しんでいる様子、治療に当たっている看護師や医者の記憶を、生々しく描いている。 最も多くの放射線を浴びた、大内さんの右手です。この時は、少し赤く腫れているだけでした。 事故当日、大内さんは会社のマニュアルに従って放射性物質を扱う作業を進めていました。 バケツを使って、ウランを濃縮する作業でした。臨界が起きる可能性については、全く知らされていませんでした。 同僚がバケツでウラン溶液を注ぎ、大内さんはロートを右手で支えていました。 7杯目のウラン溶液を注がれたとき、突然青い光が走りました。核分裂が連続する臨界が起きたので
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