「美肌効果がある」として通信販売で大ヒットした「茶のしずく石(せっ)鹸(けん)」をめぐり、昨年までの商品に含まれていた小麦由来成分によるアレルギー被害が拡大している。販売元の「悠香(ゆうか)」(福岡県大野城市)が5月に自主回収を始めてから、全国の消費生活センターに寄せられた被害相談は400件を超え、重症例も相次いだ。同社の注意喚起が不十分との指摘もあり、大阪などでは被害対策弁護団が発足、集団訴訟も視野に実態調査に乗り出した。 一時意識不明も 厚生労働省によると、原因物質の可能性があるのは、茶のしずく石鹸に含まれていた保湿成分「グルパール19S」。小麦に酸を加えた「加水分解小麦」と呼ばれる原料の一種だ。 グルパールは他の加水分解小麦と比べ分子サイズが大きいといわれる。サイズの大きい物質のほうが免疫反応を引き起こしやすいため、利用者の皮膚などから体内に吸収された際に小麦アレルギーを誘発。その