3月上旬に『左翼老人』を上梓する著者に、日本に根強くある左翼思想について聞いた。 森口 朗 (もりぐち・あきら)教育評論家。HSUアソシエイト・プロフェッサー。中央大学法学部卒。佛教大学修士課程(通信)教育学研究科修了。95年~05年まで都内公立学校に勤務。著書に『自治労の正体』『授業の復権』『戦後教育で失われたもの』『教師は生まれ変わる』『誰が「道徳」を殺すのか』など。ブログ「習慣新書」連載中。 ──はじめに、著書のタイトルにもある「左翼」の意味について教えてください。 森口(以下、森): 定義は定まっていませんが、歴史的にはフランスで、国王制度を維持しようとした勢力が議会の右側に座ったのを「右翼」、逆になくそうとして左側に座ったのを「左翼」とするのが起源とされています。その後、穏健な言動を行う勢力を「右派」「左派」、極端なものを「右翼」「左翼」と区別するようになりました。 本書では、「