悩んでいる時ほど、遠くを見よ――。この男はいつも、自分にそう言い聞かせているのだという。ソフトバンクグループを率いる稀代のカリスマ経営者。その視線の先には壮大な景色が広がっていた。 「通信が本業ではない」 11月6日、ロイヤルパークホテル(東京都中央区)の巨大ホール。この日開催された2018年度3月期の中間決算会見に登壇したソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は、いつものようにこう吹いてみせた。 「ソフトバンクの本業はなにか? 私は通信が本業だと思ったことは一秒もない。ソフトバンクの本業は情報革命業。地球上にはじめて生まれた業態の会社である」 この日の孫氏は勢いそのままに、「ソフトバンクは1ヵ所にとどまる会社ではない」と断言。 巨大ビジョンにプレゼン資料を映し出しながら、通信のみならず、ロボット、Eコマース、医療などさまざまな事業へと投資を加速させると次々発表し、「ソフトバンク1社で、