現行のLiイオン2次電池(LIB)の開発者にノーベル化学賞が送られた2019年の翌年に、LIBを超えるリチウム硫黄(Li-S)2次電池が実用化される。Liイオンを使わない新型電池も実用化に近づいてきた。多くが現行LIBの2~5倍のエネルギー密度を備え、それでいて量産時の価格は大幅に安くなる。電池の革新が新用途開拓につながる流れは当面続く。 2019年は、現行のLiイオン2次電池(LIB)†を超える「Beyond LIB」への期待がこれまで以上に高まった年だった。理由は、現行LIBの2つの限界がいよいよ顕在化してきたことにある。 †Liイオン2次電池(LIB)=狭義の定義では、正負極共にLiイオンをインターカレーションさせる、つまり金属Liなどに析出させることなく、イオンのまま材料の隙間を出入りさせることで、充放電できる電池を指す。 2つの限界とは、(1)エネルギー密度の目立った向上がもはや
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