ベンチャー企業が自社の製品やサービスで「キャズム」を超えるためには、自社の製品やサービスが対象となる市場を最初から独占しようと考えるのではなく、広い市場をいかに分割し、分野ごとに攻略していくかが重要になる。 前回の連載で事例として紹介したディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)は、まさにこれを実行してキャズムを超えたベンチャー企業の1社だ。今回はグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)シニア・アソシエイトの井出啓介氏と、DMP代表取締役兼CEOの山本達夫氏の2人に、“キャズムを超える”までのストーリーを聞いた。 --GCPで井出さんが担当されている分野について教えてください。 井出:GCPは幅広い分野で投資を行っていますが、その中で私はコアテックを担当しています。コアテックというのは、「IT」に対しての「コア」という意味です。ITがインフォメーションやユーザー寄りであるとすれば