1月22日、神戸市内の質素な教会で行われた「日曜礼拝」には、10名ほどの信者が集まっていた。女性牧師による説教、信者による賛美歌の合唱などが行われた後、フレンチブルドッグを抱いた男がひっそりと礼拝堂に入ってきた。 礼拝が終わった後、ゆっくりと壇上に立った男。信者は静まり返り、男の言葉を待っている。やつれた表情でマイクを握ると、男は極めて小さい声でボソボソと語り始めた――。 昨年12月8日、覚醒剤取締法違反の疑いで、神戸市内の教会で牧師を務めていた男が兵庫県警に逮捕された。牧師が覚醒剤を使用したという事実もさることながら、男の経歴もクローズアップされ、事件は大きな話題を呼んだ。 「逮捕されたのは森康彦(64)という人物です。もともとは指定暴力団の幹部だったそうですが、40代で組を破門になった後、以前から信仰していたキリスト教の神学校に入り、’10年に神戸市内に教会を設立した。’11年からは非