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南シナ海仲裁判断の意味 – 国際法学会 "JSIL" Japanese Society of International Law
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南シナ海仲裁判断の意味 – 国際法学会 "JSIL" Japanese Society of International Law
国際法学会エキスパート・コメント No.2016-6 中島 啓(神戸大学大学院法学研究科学術研究員) 脱稿日... 国際法学会エキスパート・コメント No.2016-6 中島 啓(神戸大学大学院法学研究科学術研究員) 脱稿日:2016年9月27日 1.仲裁の経緯 2016年7月12日、南シナ海をめぐるフィリピンと中国の紛争に関して、国連海洋法条約に基づいて設立された仲裁廷が最終的な判断を下しました。仲裁手続を開始したフィリピンが定式化した15の申立のうち、14の申立についてフィリピン側の主張をほぼ認容する結論に至ったことから、フィリピンの「全面勝訴」、あるいは中国の「全面敗訴」と報じられてきています。その一方、本仲裁判断は、南シナ海に浮かぶ島嶼に対する主権の問題や、2国間の海洋境界画定の問題には触れないことを明言しています。そのため、本判断は、スプラトリー(南沙)諸島やスカボロー礁といった島嶼およびその周辺海域に対する中国の主権・領有権を否定した(あるいは、フィリピンへの帰属を認めた)わけではありません