毎日新聞は27、28の両日に全国世論調査を実施した。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、東京地検が派閥幹部の立件を見送ったことが適切だと思うか尋ねたところ、「適切だとは思わない」が78%に上り、「適切だと思う」(11%)を大きく上回った。「わからない」も10%あった。 東京地検は自民党派閥の政治資金パーティ…
バイデン米政権は9日、ウーバーなどのプラットフォーム企業から単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」と呼ばれる労働者を、一定条件を満たせば従業員とみなす新たな規則を発表した。事実上、従業員として働いているにもかかわらず、独立した請負業者とみなされ、最低賃金や残業代、社会保障などを企業が負担していない事態を問題視した。3月に発効する。 米労働省によると、新規則では、企業が労働者の仕事をどの程度管理しているか▽労働者の仕事が事業にとってどの程度不可欠か――など六つの基準で、労働者が従業員なのか独立した請負業者なのかを判断する。ウーバー運転手などのギグワーカーを、独立した請負業者とみなしやすくしたトランプ前政権時代の規則は取り消す。
「失われた30年」と言われるニッポン。社会に横たわる難題はなぜ解決されないのか。毎日新聞の調査報道がその本質に深く迫ります。
補助金を支給するに値するかどうか。東京都千代田区のオフィスビルに入居する事業再構築補助金の事務局。血税の最後の配り手として「公正さ」を求められる審査作業は、混迷を極めている。 【関連記事あります】 1.「この仕事、やばくね?」 コロナ補助金に政治圧力 2.居眠り、私語… 「血税、最後の配り手」補助金事務局の限界 3.ウイズコロナ時代へチャレンジ 補助金「すごくありがたかった」 「何も言えない」と言え 「なぜ審査が通らないのか」「このままでは給料も支払えない」 事務局には、補助金を求める人からの悲鳴が後を絶たない。申請者の大半は中小企業だ。補助金を当て込んで新たな借り入れをした人もいる。長い場合で申請から6カ月たっても審査が終わらないケースもあった。 審査を担当したパソナの元従業員によると、昨年夏ごろ、提出書類の様式が急きょ変更され、審査が一斉にストップしたことがあった。「問い合わせにどう答
民にできることは民に――。小さな政府を志向した一連の改革で進んできた国の業務の民間委託。しかし、政策の遂行役となる企業の内幕をのぞくと、血税を原資にした仕事を代替する重圧と混乱が広がっていた。民が担う公共。その限界が透ける。【遠藤修平、土谷純一】 【関連記事あります】 1.「この仕事、やばくね?」 コロナ補助金に政治圧力 2.居眠り、私語… 「血税、最後の配り手」補助金事務局の限界 3.ウイズコロナ時代へチャレンジ 補助金「すごくありがたかった」 補助金に群がる政治家 「例のリストを見たよ。この仕事、やばくね?」。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業の業態転換を促す事業再構築補助金。支給業務を担う事務局オフィスの喫煙所で支給の妥当性を審査する従業員らが声を潜めた。 「例のリスト」とは、「議員案件」の一覧。事務局に勤めていた元従業員が毎日新聞の取材に自身の経験を証言した。それによると、「議
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、清和政策研究会(安倍派)からパーティー券収入のノルマ超過分を受領しながら政治資金収支報告書に記載していない疑いが強まったとして、東京地検特捜部がいずれも安倍派所属の池田佳隆衆院議員(57)=比例東海=と、大野泰正参院議員(64)=岐阜選挙区=を政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)容疑で立件する方針を固めた模様だ。上級庁との協議を踏まえて最終判断するとみられる。関係者への取材で判明した。 不記載、虚偽記載の公訴時効(5年)にかからない池田、大野両氏の不記載額はそれぞれ4000万円超に上る見通し。安倍派では、ノルマ超過分のキックバック(還流)を派閥から受けながら収入として収支報告書に記載していない議員が数十人に上り、裏金の総額は5億円を超える可能性があるが、両氏の不記載額は最高規模となる。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題が底なしの様相を見せている。パーティー券収入のキックバック(還流)を受けながら裏金化した疑いがある議員が安倍派で10人を超える可能性があるほか、二階派にも不記載の疑いが浮上した。東京地検特捜部は全国から応援検事を集めて捜査態勢を拡充しているとみられ、詳しい説明を避ける議員たちへの国民の視線は厳しさを増しそうだ。 裏金づくりの疑惑が持たれているのは、派閥が所属議員に割り当てる1人あたり数十万~数百万円のパーティー券の販売ノルマと、ノルマ以上の売り上げ分を議員にキックバックする仕組みだ。こうした資金の流れは、派閥、議員それぞれの政治団体の収支報告書に記載していれば政治資金規正法には抵触しない。
<ずっと、なぜわたしは死なずに生きていて、彼女は死んだのかを考えています> 宝塚歌劇団の劇団員の女性が死亡して間もない2023年10月。かつて歌劇団で演出助手を務めたアキさん(仮名)は、木場健之(こばけんし)理事長(当時)に1通の手紙を送った。 アキさんは5年前、長時間労働や上司からのパワーハラスメントで心身に不調をきたし、退団した。改革に乗り出しつつある歌劇団に対し、「なくなるしかない」とまで口にする。アキさんが見た「立場の弱い人へのしわ寄せで利益を生む」という搾取の構図とは。 「机を蹴られた同期も」 アキさんは16年春、契約社員として歌劇団に入団した。芸術系の大学で学び、演出家になるのが夢だった。 だが入団してすぐ、期待は裏切られた。契約は1日実働8時間を基本とする専門業務型裁量労働制。労働者が仕事の進め方を決めるのを前提に、労使で事前に決めた時間を働いたとみなす制度だ。だが実際の仕事
辺野古沿岸部への土砂投入が始まってから5年を迎え、海上で埋め立て工事に抗議する人たち=沖縄県名護市で2023年12月14日、喜屋武真之介撮影 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設計画を巡って、国は28日、軟弱地盤の改良工事のための設計変更を玉城デニー知事に代わって承認する「代執行」に踏み切った。県内移設反対の民意を背に知事が貫いた「不承認」を、国は前例のない措置で覆した。完成まで最短でも12年。禍根を残したまま、美(ちゅ)ら海の底はくいで固められ、更に埋め立てられる。 国土交通相による代執行から一夜明けた29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設工事が進んできた名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前は静かな年の瀬を迎えた。この日の朝は工事車両の出入りもなく、抗議に訪れる人も見当たらない。ゲート前での抗議活動が始まった2014年7月からの日数「3462日」を
エネルギー問題解決の切り札として期待の高まる核融合。だが米スタンフォード大非常勤教授でエネルギー研究機関、ロッキーマウンテン研究所名誉所長のエイモリー・ロビンス氏は、たとえ核融合発電所が実現しても「無用の長物」となる可能性があると指摘する。ロビンス氏は、核融合発電所が普及するまでの時間と費用、またエネルギー間の競争力の差を理解する必要があるという。【聞き手・宮川裕章】 核融合への投資拡大と研究発展の好循環が産まれつつあります。日米英の最前線を追う連載「熱狂フュージョン」。次回は27日午前9時公開予定です ――現在の核融合への関心の高まりをどうみているか。 ◆核融合は「魅力的な物理の実験」ではあるが、現実的に競争力のあるエネルギー源だと誤解してはならない。たとえ発電が実現したとしても、建設や運転に莫大(ばくだい)なコストがかかるからだ。 まだ実現していないテクノロジーのコストを評価するのは難
「いじめのない学校に」と願う男子生徒(左)と母親=山口市の県庁で2023年12月22日午後0時55分、柳瀬成一郎撮影 山口県光市の県立光高2年だった男子生徒がいじめを受けたとして別の高校に転校した問題で、県教育委員会が設置した第三者委員会のまとめた報告書を受け取った男子生徒と母親が22日、県庁で記者会見した。報告書は8件のいじめを認め、学校の初期対応が「通常ではなかった」と指摘している。 男子生徒は1年生だった2021年秋ごろから日常的に複数の同級生らから「きもい」「死ね」などと言われたと訴えた。学校の対応が不十分で、いじめが集団的になり長期化。県教委は訴えを受け、22年6月に第三者委を設置。男子生徒は継続的に欠席するようになり、同年7月に転校した。 報告書では「授業中の発言で他の生徒から笑われた」など8件のいじめが認められたが、男子生徒がいじめを訴えてから同委の調査が始まるまでに半年以上
国立社会保障・人口問題研究所は22日、2050年までの地域別将来推計人口を公表した。50年の人口は、20年に比べ東京都を除く全道府県で減少し、秋田県など11県では3割超少なくなると予測されている。地方の高齢化も深刻で、25道県で高齢者(65歳以上)の人口が4割を超える。 推計は5年ごとに公表され、今回は20年の国勢調査を基にしている。 50年の人口は、秋田、青森両県で20年と比べ4割前後に上る減少率となった。岩手、高知、長崎、山形、徳島、福島、和歌山、山口、新潟の各県で3割以上少なくなる。一方、東京は新型コロナウイルスの流行下で一時的に冷え込んだ都心への転入超過数の回復や、外国人の増加の影響が大きいと見込んだことで、唯一20年を上回る。ただ、出生率の低迷などを背景に、東京でも40年以降に人口減少に転じるとされた。
群馬テレビの取締役会が22日開かれ、武井和夫社長の解職決議が賛成多数で承認された。同日付で中川伸一郎専務兼報道局長が社長に昇格した。群馬県内唯一の地方テレビ局で、労働組合によると、武井氏は「ニュースなんか一つも流さなくていい」と発言し、有料の契約を結ばない自治体を取材しないよう求めるなど、過度な経費削減や頻繁な人事異動を繰り返したとされ、筆頭株主の県も問題視。労使対立が異例のトップ解職に発展した。 関係者によると、22日の取締役会では、解職決議の理由について「(経費削減のため番組制作の外注をやめる)業務の内製化が性急で強引」などと説明があった。武井氏は退席し、県や県議会などの取締役から反対意見はなかったという。武井氏は群馬銀行出身で、2014年6月に就任していた。
パレスチナの旗を振りながら、イスラエルの攻撃を停止するよう訴えるデモ参加者=カイロで2023年10月20日午後1時41分、金子淳撮影 「ハマスはテロリストだが、一般のパレスチナ人は違う。民間人は保護すべきだ」。パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まってから、欧米の首脳などからこんな発言が相次いだ。趣旨はこうだ。越境攻撃でイスラエル市民を殺害し、人質まで取ったハマスの残虐行為は決して許されるものではない。だが、イスラエルもハマスとは無関係のガザ市民を殺害すべきではない――。 確かにそうだ。ガザ市民がみんなハマスを支持しているわけではない。言いたいことはよく分かる。だが、こうした論理は「アラブ人には響かないのだ」と最近取材したエジプトの大学教授が教えてくれた。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く